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野口寿浩 〜阪神タイガース補強選手列伝〜

野口寿浩のデータ
右投げ右打ち 1989年ドラフト外 捕手(外野手)
<経歴>
習志野高校
ヤクルトスワローズ(1990〜1997)
日本ハムファイターズ(1998〜2002)
阪神タイガース(2003〜2008)
横浜ベイスターズ(2009〜2010)

野口寿浩選手のプロ野球通算成績
年度 試合 打席 安打 本塁打 打点 四球 三振 盗塁 打率 出塁率
通算 911 2585 582 42 272 135 467 30 250 294


★阪神入団の経緯・・・トレード
           ※野口・下柳・中村と坪井・伊達・山田のトレード


★野口選手加入の報を聞いたときの管理人の感想
「日本ハム野口出して大丈夫なんか!?実松と山田じゃ1年まわすの厳しいと思うけどなぁ・・・そんなに坪井が欲しかったのかなぁ・・・」




阪神にやって来る前の野口選手

阪神に来る直前3年間の野口捕手の成績
年度 球団 試合 打席 安打 本塁打 打点 四球 三振 盗塁 打率 出塁率
00 ハム 134 510 137 76 28 57 298 337
01 ハム 99 298 63 36 14 46 229 271
02 ハム 103 320 66 31 14 65 227 264

ヤクルト時代から強肩強打俊足の捕手として評価は高かったが全盛期の古田がレギュラーであったためほとんど出番が与えられなかった。97年オフに城石とのトレードによって日本ハムに移籍すると水を得た魚の如く1年目からあっさりとレギュラー捕手を獲得し、5年間にわたって正捕手として君臨。特に2000年はビッグバン打線の一角として打率298 9ホームラン 76打点の成績を残し「恐怖の8番打者」として恐れられる。

しかし、そんな正捕手である野口を日本ハムがまさかのトレード、3対3の大型トレードで野口が移籍したのは阪神だった。正捕手矢野がいる阪神に正捕手野口を出すという不可解なトレードではあった(矢野の控えが必要という星野組長の考えは分かるが、贅沢すぎる控えだった)。

管理人が野口獲得の報を聞いた時の印象だが「日本ハム野口出すんかぁ〜出して大丈夫か?」「矢野の控えとして野口か・・何ちゅう贅沢な2番手捕手やっ!」「野口の顔が毎日堪能できてしまうっ・・・!!!!」という感じだった。野口が実力があるのは分かっていたけどレギュラーがいるポジションへの補強だっただけに複雑な思いであった。




阪神にやって来た後の野口選手

野口寿浩捕手 年度別成績(阪神時代)
年度 球団 試合 打席 安打 本塁打 打点 四球 三振 盗塁 打率 出塁率
03 阪神 59 116 29 29 271 313
04 阪神 24 34 226 265
05 阪神 18 32 11 161 188
06 阪神 16 21 150 190
07 阪神 36 106 33 11 24 351 398
08 阪神 55 167 27 16 35 191 281


球界最強の馬面!古田、矢野というセリーグを代表する捕手の競争相手に選ばれてしまう悲劇の捕手だがその馬面のためか悲劇性が薄れてしまう(涙)


★阪神補強選手列伝的テキトー選手評価・・・C


星野組長の「矢野の保険」という(とんでもない)理由で獲得されてしまった野口(涙)組長は金本、伊良部らを獲得していたにも関わらず「一番の補強は野口」と言ってくれたが・・・。シーズンに入ると野口獲得によって発奮したのか矢野がMVP級の活躍・・・野口の出番は矢野の休養日や日本ハムで同僚だった下柳の登板日に限定されていく。誰もが認める力はある上に年齢的にも脂にのった時期だった野口にとって阪神という球団は一番相応しくない球団だったのかもしれない。

翌2004年はスタメン固定傾向にある岡田監督が就任したため野口の出番はさらに限られていく。わずか24試合34打席、33歳の野口がシーズンオフにFA権を行使して移籍するのは必至と見られていた。しかし、野口は残留を選ぶ。2番手捕手として生きる道を選んだのだ(矢野から正捕手を奪うと宣言したりもしたが、現実を見れば充実期を迎え、ファンや首脳陣からの信頼厚い矢野から正捕手を奪う可能性は皆無だったと思う。恐らくほとんどの阪神ファンが野口が正捕手を奪えるなどとは思っていなかったはずだ・・・)。

阪神球団は野口に対してそれなりの礼遇を尽くしていたと思う。野口は阪神に6年間在籍し、レギュラーどころか準レギュラーとも言えなかった。しかしこの間阪神は野口に6000万円〜8000万円という正捕手並みの年棒を支払い続けていた。プロで正捕手をはれる実力がある野口に対し、「2番手捕手で我慢してくれているお礼に正捕手並の待遇を保証する」という態度を示しているかのようだった。

野口にとって阪神で2番手捕手を務めるという選択が良かったのか悪かったのかは分からない。でも個人的には2004年オフにFA宣言して、阪神より条件が悪かったとしてもレギュラーが狙える球団に移籍したほうが野口にとっては良かったんじゃないかという思いはある。あれだけ実力がある捕手が、捕手として充実期になったであろう6年間をベンチで過ごしたのは非常に勿体なかったんじゃないかと思うのだ。ちなみに2009年についにFAで横浜に移籍するが選手としては晩年を迎えており全く活躍できなかった・・遅かった・・(涙)

野口の印象
レギュラーで出場すれば2割4分から2割6分くらいは打てそう、またある程度の長打力もあるためホームランも5本から10本くらいは打てたのではないか(捕手としては十分な打撃力)。意外と走力があり、レギュラー級の捕手の中ではトップクラスの走力ではなかろうか(捕手としては十分すぎる走力)。守備面ではまずリードについて。ノムさんの薫陶を受け、古田の控え捕手をやっていただけに味のあるリードをしていた。矢野のリードが無難なリードだったため(矢野のリードが悪いわけではない)、野口の攻撃的なリードは見ていて楽しかった。特に若手投手(上園、岩田など)と組んだ時に、若手投手が生き生きしていたのが印象的。肩については強肩という話であったが、そこまで強肩な印象はない。結論としてはプロ1軍レギュラーレベルの捕手で、しかも「ぎりぎりレギュラーレベル」ではなく打撃の調子が良いシーズンであればベストナインも狙えるクラスの捕手だと思う。やっぱもったいないぜ・・・。

ちなみに顔でベストナインを選ぶならキャッチャーは常に野口であること間違いなし!(涙)