ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2018年2月に読んだ本(2018年3月3日更新)

でぶぶの読んだ本考察|2018年2月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・死刑にいたる病
作者・櫛木理宇
出版社・ハヤカワ文庫
評価・7点

鬱屈した日々を送る男子大学生(主人公)に稀代のサイコキラー(すでに逮捕されて死刑を待つ身)からお手紙が届く。「立件された多数の殺人事件のうち1件だけ冤罪がまじってるんだ。それを証明してくれないかい?」という謎の依頼を受け主人公が動き出す、というなかなかに魅力的?な感じのストーリーである。サイコキラー野郎は捕まって牢屋の中にいるくせになかなかにキャラが立っていて魅力的であり、それが物語の吸引力となっている。感動するとかそういうのはないが非常にリーダビリティが高い作品である。



書名・本陣殺人事件
作者・横溝正史
出版社・角川文庫
評価・5点

70年くらい前にかかれた古典的ミステリ。かの名探偵・金田一耕助(「じっちゃんの名にかけて」のじっちゃんである)のデビュー作で、有名すぎる表題作「本陣殺人事件」の他「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」が収録されている中編集となっている。後世のミステリ作家たちが大いに影響を受けたであろうから、本陣殺人事件の密室トリックなどは現在においてはそこまでの驚きはない、しかしどの中編も作品としての質は高く、さすが70年経っても現役の作品は違うな、と思わせる。何となく「中高生くらいの時に読んでおきたかったな」と思わせる作品である。



書名・六枚のとんかつ
作者・蘇部健一
出版社・講談社文庫
評価・1点

第3回メフィスト賞受賞作。一言で言うならば「カス」である。短編集であるが、テキトーでお下劣な内容のオンパレード。たまに「おっ」と思うトリックも出てくるが、作者自ら台無しに・・(泣)「オナニー連盟」なんてタイトルよくつけたよな・・。ある意味ゴミクズすぎて「ミステリファンとしてはとりあえ押さえておかねばならん」という立ち位置の奇書かもしれない・・。



書名・リアル風俗嬢日記
作者・Ω子
出版社・竹書房
評価・7点

兼業風俗嬢である作者自身の風俗的日常を描くエッセイ漫画。ほんわかする絵と風俗(ヘルス)業界のリアルな描写がいい感じのハーモニーを奏でる佳作である。てか店長EDて・・(泣)



書名・瑠璃城殺人事件
作者・北川猛邦
出版社・講談社文庫
評価・2点

物理トリックの北川読破3作目。1989年の日本、1243年のフランス、1916年のドイツで3つの密室殺人が起きるのだが、日本はまあまあ、フランスはええんか?、ドイツはよう分からん、という感想。クロック城、アリスミラー城と読んできたが一番ダメだった。ギロチン城を読むべきかどうか・・・。



書名・「南京事件」を調査せよ
作者・清水潔
出版社・文春文庫
評価・5点

桶川事件や文庫Xで有名なジャーナリスト清水さんが南京事件に挑んだ。正直言って先に上げた作品に比べると面白さは落ちるが、一部で存在そのものが否定されつつある南京事件に改めて光を当てた貴重な一作だと思う。まぁ、中国のやってることはプロパガンダ工作だと思うし、中国の主張する南京事件に関する事実・証拠にはおかしな所がいっぱいあるが「だから南京事件はなかったのか?」と問われれば「それは違う」と思う。



書名・the SIX
作者・井上夢人
出版社・集英社文庫
評価・5点

超能力を持って生まれてしまった子どもたちを、第三者の目から見る短編集。確かにそれなりに面白い、でも井上さんはかんなり寡作の作家だけに(滅多に新刊見ねーよ)もっと凄い作品を期待してしまう。「オルファクトグラム」「ラバーソウル」「魔法使いの弟子たち」みたいな大作が読みたいね。



書名・されど われらが日々
作者・柴田翔
出版社・文春文庫
評価・5点

50年以上前の芥川賞受賞作。50年代の学生運動華やかりし頃の青春を描く作品で当時はもの凄く売れたらしい。ある読書ブログの主がやけに評価していたので読んでみた。さすがに色々と古びているがするっと読める文章だし、描写もいちいち高尚である。私はブログの主ほどの評価はしないが、今の作家には書けない作品、時代が生んだ作品という気がする。