ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2023年11月・12月に読んだ本(2024年1月24日更新)





でぶぶの読んだ本考察|2023年11月・12月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・。

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・幸福の科学との訣別
作者・宏洋
出版社・文藝春秋
評価・5点

副題は「私の父は大川隆法だった」。幸福の科学の教祖の息子による告白本(暴露本とも言えるかもしれない)。霊言などでキワモノ扱いされて有名になった幸福の科学の内部事情が赤裸々に明かされる。まぁここで書かれている大川隆法は結構メチャクチャなのだが、何故この人物がゼロからそこそこの規模の世間に名の知れた宗教団体を作れたのかがよく分からなかった。当然何らかのカリスマ性がある人物のはずなのだが、報道される普段の大川隆法の言動からもこの本からもその部分が一切見えてこない。



書名・能見さんの美学
作者・能見篤史
出版社・ベースボール・マガジン社
評価・6点

元阪神タイガース・元オリックスの能見投手の初著書。表紙がアイドルの本みたいで気持ち悪いし、副題の「みんな大好き」も気持ち悪い(笑)けど中身は至ってまともで、阪神ファンなら一読の価値はあると思う。



書名・文身
作者・岩井圭也
出版社・祥伝社
評価・6点

最後の文士・私小説家・無頼作家と呼ばれた男が死ぬのだが、その遺稿につづられていたのは自殺したはずの実弟との奇妙な物語だった・・・。サスペンスと言うべきかエンタメと言うべきか説明しづらいけどなかなかに読ませる不思議なタイプの小説。



書名・天下奪回
作者・北沢秋
出版社・河出文庫
評価・5点

副題は「黒田長政と結城秀康の策謀」。合戦屋シリーズがそこそこ売れた北沢さんの作品。黒田長政と結城秀康が手を組んで豊臣家を利用(後見)して徳川家康と天下の覇を争おうとする歴史小説。かなり荒唐無稽というか、都合の良い展開というか昔読んだ歴史シミュレーション小説を読んでいるような感覚(かろうじて正史に沿っているが・・・)。黒田長政はこれほどの人物ではないように思うし、立花宗茂はこんなことはしないと思う。読みやすいけど正統派の歴史小説を期待して読むのはやめたほうがよい。



書名・虚空の人
作者・鈴木忠平
出版社・文藝春秋
評価・7点

副題は「清原和博を巡る旅」。「嫌われた監督」が予想外に良かったので同作者の本を購入。かなり読み応えのある作品(特に清原の活躍期にプロ野球ファンだった人間にとっては読み応えがあると思う)で力作。ただ、正直鈴木さんが清原のことをどのような立場で取材したのか気になる、清原のかなり内側まで入り込んでいるが清原は果たしてこのような内容の本が書かれることを承諾していたのだろうか。かなり「取材者としてルール違反があったのではないか」と気になってしまった(この本の出版によって今後プロ野球選手にここまで迫るような取材はできなくなるのではなかろうか)。







署名・湯遊ワンダーランド  
作者・まんしゅうきつこ
出版社・扶桑社
評価・7点

狂気の女・まんしゅうきつこ最期の輝き。以降狂気が薄まり「まんきつ」へ。漫画です。



書名・白鳥とコウモリ
作者・東野圭吾
出版社・幻冬舎
評価・6点

罪と罰とも言うべき作品か。近年の作品の中では重厚感がありストーリーも悪くない。近年の東野作品の中では上位に位置するかと思う。ただ、なんか「東野圭吾はこんなもんじゃないやろ感」が消えない。私が東野圭吾を過大評価しすぎなのだろうか・・・。



書名・雨滴は続く  
作者・西村賢太
出版社・文春文庫
評価・7点

西村賢太の未完の遺作。「重厚感のあるタイトル」「北町貫多シリーズ最長編」「文藝春秋から出版」など格式あふれる見た目をしているが中身はシリーズでも屈指のゲスさ(笑)「あんな淫売ババアは、所詮、ただのババア淫売である。」ってどんな日本語やねん!ただ、デビュー直後の姿が描かれるなどシリーズの中では貴重な作品で、貫多(賢太)のあまりに糞且つ頻出するな心理描写に食傷気味になりながらもファンにとって見逃せないという何とも困った作品である。



書名・尚、赫々【かくかく】たれ 立花宗茂残照
作者・羽鳥好之
出版社・早川書房
評価・5点

3代将軍・家光の時代に立花宗成が過去を振り返る短編集(中編集)。一作目の毛利秀元らも登場し、関ケ原を振り返る話はなかなか興味深かったが、2作目以降は勢いが落ち気味に感じた。珍しいタイプの小説なので関ケ原ファン、立花宗茂ファンは一読の価値はあるかと思う。