ホーム>でぶぶの考察シリーズ|ヒーローインタビュー(2015 7.3更新)

でぶぶの考察|小説「ヒーローインタビュー」阪神ファンにおすすめします!

管理人でぶぶは本を読むのが大好きです。ある日、本屋の文庫本コーナーに行くと「ヒーローインタビュー」という表紙が阪神のユニフォームを着た選手の小説を発見、あまりスポーツものの小説は読まないのですが(スポーツはそれ自体が一種のドラマですから小説で読む必要性をあまり感じないためです)、書店でやたらプッシュされていたので気になり購入しました(平台で八面くらい展開されていました)。

タイトルはヒーローインタビューで作者は坂井希久子さん、出版社は角川春樹事務所(ハルキ文庫)です。管理人はかなり本を読むほうですが知らない作者さんでした、にも関わらず書店でやたらプッシュされていたのは管理人の居所が阪神タイガースのお膝元大阪だったからだと思われます(関東で阪神のユニフォームが表紙の小説がそこまで売れるとは思えません)。

(それほど有名じゃない作家さん+スポーツ小説ということもあって)そこまで期待していませんでしたが、読んでみるとなかなかどうして面白い。そこで阪神ファンの皆さんにもご紹介しようと思って今文章を書いているわけであります。

※以下はネタバレも含まれますので一切の先入観なしに読書を楽しみたい方は読まないでください!


「ヒーローインタビュー」感想

主役は仁藤全(あきら)という阪神タイガースの選手、もちろん実在しませんし、管理人にはモデルが誰かは浮かびません。この仁藤(通所「ゼン」)はドラフト下位指名で阪神に入団してから10年間あまりパッとしない選手生活を送っています。1軍ではまったく打てないわけではないけど、基本的には2軍選手。2軍ではホームラン王をとったりと中心選手。いわゆる「2軍の帝王」というやつですな。モデルではないでしょうが、近年の阪神の選手でいえば桜井広大、喜田剛、森田一成あたりが近いかもしれません。

ただし、小説中にこの仁藤の視点はありません。仁藤の周囲の人間たちが仁藤について語るというスタイルをとっています。仁藤の恋人、仁藤の担当スカウト、仁藤の後輩、敵チームの投手(仁藤にホームランを打たれた)、高校時代バッテリーを組んでいた捕手(仁藤は高校時代は投手もしてた)など、彼らを通して仁藤が語られます。近年の小説ではよくある構成かもしれませんが、この構成によって(恐らく仁藤の視点で小説を作った場合より)仁藤という人間がくっきりと浮かびあがっています。

すごいひねりがあったり、すごく感動したりというわけではありませんでしたが、普通に「面白い」「読んで良かった」小説です。仁藤のチームメイトはモデルがはっきり分かるようになっており、阪神ファン(と言うより野球ファンかも)であればより楽しめます。金谷(金本)、阿弓監督(ご本人同様迷采配をかましてます)、ブブゼル(なんか南アフリカW杯で聞いたことあるよな)、山村昌司(まんま山本昌です)らは、ほぼホンモノそのままの人物像で果たして名前を変える必要はあったのだろうかと思いますが・・笑。

小説のクライマックスのシーン(内容はあえて書きませんが)は阪神ファンであれば誰もが夢想するシーンかと思います。ベタベタであんまり現実味がないけど何だか納得させられるようないいシーンでした(何言ってるかよう分からんですね・・・)。まあとにかくよい小説です。阪神ファンで本好きな人なら読んで損はないと思いますよ!



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