ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2018年6月に読んだ本(2018年7月10日更新)

でぶぶの読んだ本考察|2018年6月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・四神金赤館銀青館不可能殺人
作者・倉阪鬼一郎
出版社・講談社ノベルス
評価・2点

クソミステリー!クソミステリーを意図して書かれたクソミスゆえ一部の熱狂的なファンを持つシリーズである(シリーズ第一作目)。しかしながら、私は常識人ゆえこれだけでお腹一杯である。



書名・知らないと恥をかく世界の大問題9
作者・池上彰
出版社・角川新書
評価・5点

池上さんの世界情勢ダイジェストの9冊目。相変わらず可もなく不可もなくという感じで表面的な内容が多いが、読みやすいし知識の「復習」には丁度良いかもしれない。



書名・人魚の眠る家
作者・東野圭吾
出版社・幻冬舎文庫
評価・7点

離婚寸前の夫婦の娘がプールでおぼれ脳死状態に、しかし夫婦は無意味とも思える方法で娘の生命を維持することを決意する・・・一種の狂気とも言える親の愛が周囲を翻弄する。重い題材だが、東野圭吾が見事に調理した感じ。東野圭吾は相変わらず健在である。



書名・我が家のヒミツ
作者・奥田英朗
出版社・集英社文庫
評価・6点

「我が家の問題」「家日和」に続く奥田さんの家族モノハートフル短編集。奥田さんには「邪魔」「最悪」「無理」「沈黙の町で」など社会派小説の傑作も多いが、個人的にはこの家族モノシリーズや「インザプール」など伊良部教授シリーズなどのユーモア短編小説が好きである。



書名・人魚ノ肉
作者・木下昌輝
出版社・文春文庫
評価・6点

「宇喜多の捨て嫁」で名を売った木下さんの作品。幕末を舞台にした短編集で坂本竜馬、中岡慎太郎、岡田以蔵、沖田総司、近藤勇、斎藤一などお馴染みの人物が登場するが中身は怪奇小説(笑)人魚の肉や血を喰っちまった面々が遭遇する(なっちまう?)、吸血鬼、ゾンビ、ドッペルゲンガー、転生など中々にぶっ飛んだ内容。個人的には好きなタイプの小説ではないが、この人はやっぱり小説家としての腕はよいと思うんだよね。今後木下さんの歴史小説はどんどん文庫化されていくと思うので要注目である!



書名・dele2
作者・本多孝好
出版社・角川文庫
評価・4点

タイトル通り、ディリーの続編。ハードカバーをとばしていきなり文庫で登場。3編の中編がおさめられているが内容的には微妙。前作同様に依頼人が死んだ時にデータを削除する仕事を請け負う主人公たちの話なのだが、どの作品も何となくむず痒い。かつての本多作品は読んだ後にほのかな満足感があったものだが、そのような感覚は損なわれてしまった。



書名・皇国の守護者 全9冊
作者・佐藤大輔
出版社・中公文庫
評価・8点

ジャンルとしては架空戦記モノになるのだろうか。強大な帝国に侵略された劣勢の皇国が舞台で、皇国の異形の下級指揮官・新城直衛大尉が天賦の戦才を発揮し高みへ上っていくという感じの内容。戦闘描写がなかなかに血なまぐさく細々とした部分まで行き届いており、他の架空戦記モノとは一線を画しているように思う。また、主人公の新城大尉の主人公っぽくなさが楽しい(笑)残忍にして狡猾、密かに臆病で、性的に倒錯しているが(首を絞めて興奮、近親相姦)、軍事的には異形の才を発揮する(少年漫画の主人公にはできまへん)・・・・大変な力作であるが読者を選ぶ作品とも言えよう(私は好き)。ちなみに皇国のお偉いさんたちが副官(両性具有者)にケツを掘られまくっているという現実は衝撃的(詳しくは本編を読め!笑)



書名・大日本帝国の興亡1 暁のZ作戦
作者・ジョン・トーランド
出版社・ハヤカワノンフィクション文庫
評価・6点

アメリカ人のノンフィクション作家によって書かれた太平洋戦史(けっこう古く70年代に書かれた作品。なお文庫は新装版で新しい)。話が二・二六事件から始まるのはなかなか新鮮。第1部では真珠湾攻撃の直前までが描かれ、大日本帝国がいかに戦争に突き進んでいったかがわかる。読んでいてわかるのは、戦争が単に軍部の暴走だけで起きたのではなく(もちろん軍部の暴走は重大な要素ではあるが)、政治家、民衆、マスコミ、アメリカなどの外的要因、多数の誤解などによって起きたということである。全5巻のシリーズでいずれはすべて読もうと思うが、同じアメリカ人イアン・トールの太平洋の試練シリーズ(現在刊行中)の方が好きかな。



書名・増補版 戦前回帰
作者・山崎雅弘
出版社・朝日文庫
評価・6点

私がリスペクトする戦史研究家の山崎先生。現在の日本の情勢(安倍政権?)に危機感を抱いているようで日本会議や昭和の戦争に関する本を出版している。私はどちらかと言うと安倍ちゃん肯定派なのだが、山崎先生の本はなかなかに客観的でうならせられる。この本も「敗戦とともに消え去った思想や概念が、姿を変えて復活しようとしている。安倍政権下で急速に進む戦前回帰を検証する」ってな感じで全くもって面白くなさそうな内容なのだが、一応最後まで読ませるのは大したものである。一部の人間が絶賛する戦前の国家体制(主に昭和の体制を指す)は、日本が国としての主権を他国に奪われ独立国としての地位を失った日本史の中でも唯一の亡国の国家体制である、という部分は重たいが日本人なら認識しておくべきことであろう。