ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2018年11月に読んだ本(2018年12月5日更新)

でぶぶの読んだ本考察|2018年11月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・憲法問答
作者・橋下徹・木村草太
出版社・徳間書店
評価・6点

珍しい顔合わせの対談本。イメージ右の橋下さんとイメージ左の木村さんではなく、法律家としての橋下さんと憲法学者の木村さんの真摯な対談であった。憲法に関する問題というかなりとっつきにくい内容ではあるのだが、多くの本を出版しテレビにも出演している両人によってわかりやすい内容(それでも多少難しいが)に仕上がっている。憲法の問題に興味がある一般人は必読ではなかろうか。



書名・麻原彰晃の誕生
作者・高山文彦
出版社・新潮文庫
評価・5点

文春新書で出てたやつが文庫化。主にオウム真理教拡大前の麻原にスポットライトを当てた作品。麻原彰晃ができるまで、を主に第三者の証言から辿っていく。この本を読んで教祖になる前の麻原の足跡はそこそこ分かったが、なぜあれほどのカリスマ性を有するようになったのかは今いち分からなかった。まあ言葉で説明できないからこそのカリスマかもしれないが・・・。



書名・黙殺
作者・畠山理仁
出版社・集英社
評価・6点

副題は「報じられない無頼系独立候補たちの戦い」。選挙戦におけるいわゆる「泡沫候補」と言われる人たちのルポである。マック赤坂、ドクター中松、後藤輝樹(裸のポスターの人)などなど選挙戦において奇抜さで名を売った人たちが実際にどのような考えを持ち、供託金没収というリスクを侵してまで何故選挙に立候補するのかに迫っている。小池百合子、増田寛也、鳥越俊太郎らが争った東京都知事選を中心に当選するはずがない選挙戦を戦う泡沫候補たちの群像劇は人間臭さに満ちており、新聞では決して報じられない実像は非常に興味深かった。それにしてもこいつら強烈やなぁ・・・(笑)



書名・旧約聖書を知っていますか
作者・阿刀田高
出版社・新潮文庫
評価・6点

巨匠による旧約聖書のダイジェストエッセイって感じの本。とにかく肩を凝らずに読める。キリスト教徒でもない作者が書いたキリスト教に関する解説書というのが新鮮で、作者による適当なツッコミは笑える。それにしても客観的に読むと神様全知全能な割にはかなり人間くさくて、嫉妬深いな(笑)。



書名・霧(ウラル)  
作者・桜木紫乃
出版社・小学館文庫
評価・5点

国境の街北海道根室、昭和の半ばこの道東の街における三姉妹の物語。と言っても物語の視点は終始一貫して二女の珠生。二女はヤクザ物(親分)の妻、長女は政治家の妻となり、三女は婿養子をとり実家を継ぐ予定。解説には「それぞれの愛を貫き」ってあったけど、誰もが歪で、それなりの愛を感じたのは二女くらいだったかな・・・。桜木さんの安定感は流石ながら、慣れてしまったのかそこまでのインパクトは感じなかった。ただ、文庫が出たらまた勝ってしまうであろう。



書名・中山七転八倒
作者・中山七里
出版社・幻冬舎文庫
評価・5点

「さよならドビュッシー」でデビューし、栄養ドリンク三種混合を一気飲み、一日二時間の睡眠で作品を驚異のページで量産する、そこそこ売れっ子作家・中山さんのエッセイ的日記。中山さんの創作活動や日常が描かれているのだが1番の読みどころは出版業界に関する暴露部分(笑)ぶっちゃけまくってます(笑)600ページと長いけど、日記形式なので肩肘張らずに読める楽しい一冊。



書名・作家刑事毒島
作者・中川七里
出版社・幻冬舎文庫
評価・6点

人気ミステリ作家兼刑事という主人公の設定でこの小説の方向性は分かる(笑)出版業界で起こる殺人事件を作家刑事が解決するというテキトーな設定であるが、(文学性云々はともかく)非常に面白い。作家志望者、新人作家、売れない作家などを遠慮なしにぶった切りまくる(作者が殺人事件よりこっちを書きたかったのは間違いない)。最後には作家刑事毒島の決めぜりふ「うふ。うふふ。うふふふふ。」が癖になる(笑)



書名・悪と仮面のルール
作者・中村文則
出版社・講談社文庫
評価・7点

中村文則って意外と面白かったんやな!中村さんと言えば純文学系の芥川賞作家なので近付き難さを少し感じていたのだが(私はそんなに高尚な人間ではないので小説ではミステリとかエンタメが好き)、意外や意外なかなかのリーダビリティではないか!「悪」として創られた少年が、一人の少女を守るため、人を殺す。やがて成長した少年は顔を変え、成長した少女を守るため悪と化す。



書名・犯罪小説集
作者・吉田修一
出版社・角川文庫
評価・5点

5編から成る短編集。悪くはないがどこか既視感がある。吉田さんへの期待値はもっと高い。



書名・イノセント
作者・島本理生
出版社・集英社文庫
評価・5点

主要登場人物は3人。東京のイベント会社代表の真田(男。30代。まあまあもてる)、神父の如月(男。30代。まあまあイケメン)、比紗也(女。ヒロイン。20代。まぁまぁ美女。一人子持ち。訳あり。心にトラウマ系)。さすが直木賞作家だけあって文章は読みやすいのだが、何というか登場人物の造形があまり現実味がないというか、現実味がないのはいいのだが何だか説得力が乏しいような・・・。