ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2018年12月に読んだ本(2018年12月29日更新)

でぶぶの読んだ本考察|2018年12月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・あなたが消えた夜に
作者・中村文則
出版社・毎日文庫
評価・5点

主人公の刑事が連続通り魔事件の犯人「コートの男」を追うという感じで物語ははじまるのだが、ミステリなのか純文学なのかよく分からんし(ミステリにしては解決部分が弱い気がする)、人物相関が意味なく複雑で物語が多少ごちゃごちゃしずぎの感もある(これは新聞連載作品ゆえの弊害であろうか)。読みやすいし、魅力的な部分もあるのでもったいない感じがする。



書名・去年の冬、きみと別れ
作者・中村文則
出版社・幻冬舎文庫
評価・5点

ライターの「僕」が、猟奇殺人事件の被告に面会に行く。異常とも言える手段で女性を惨殺したとされる被告だが、その事件の背後には・・・。ミステリタッチで文庫で200ページ以内で文章も読みやすい。ただ、分量の割に登場人物の相関が複雑すぎる気もするのだが・・・そういう話と言われればそれまでだが・・・。



書名・掏摸
作者・中村文則
出版社・河出文庫
評価・6点

掏摸はスリと読む、財布を抜き取るあれである。黙々と淡々と天才的な腕前でスリをしながら暮らす青年が、かつて仕事で関与した最悪の男と再会する。なんとなく小映画館でちょっと暗めの日本映画を見たような読後感であった。



書名・王国
作者・中村文則
出版社・河出文庫
評価・5点

掏摸の続編的な一冊(別に掏摸を読んでいなくても問題ないが)。美人局的な仕事をするユリカに掏摸でも登場した圧倒的な悪である木崎が迫る。悪くはないのだが、「悪」である木崎にどこまで魅力を感じられるかによって作品の評価が変わりそう(私はそこまで強烈な魅力は感じれなかった)。どちらかと言えば映像で見たほうが楽しめそうな内容である(木崎役を演じる俳優が超重要)。



書名・土の中の子供
作者・中村文則
出版社・新潮文庫
評価・2点

2作品で150ページだが重い(300ページなら途中で投げ出してたかも)。このような内容が琴線に触れる人もいるのかもしれないが私は疲れた、また、「土の中の子供」というのが比喩ではなく直接的な表現だと判明したところでさらに重くなった・・・。



書名・何もかも憂鬱な夜に
作者・中村文則
出版社・集英社文庫
評価・6点

中村祭りはひとまずこれにて終了。中村さんの本は読みやすいし、ページ数もそこまで多くないので一気に何冊か読んでしまった(ただ、今後文庫新刊が出たらほぼほぼ買う贔屓作家になるかと言えば微妙である)。本作はタイトル通りに読後に憂鬱な気分となり、その後元カノと晩ご飯を食べるという事態に至ったので、そこそこの名作なのかもしれない。



書名・新約聖書を知っていますか
作者・阿刀田高
出版社・新潮文庫
評価・6点

新約聖書〜イエスが出てくる福音書から使徒たちやパウロの活動、黙示録まで〜のダイジェスト版兼阿刀田エッセイってな感じの本。全くゼロから聖書を知るというよりは、少しだけ聖書に触れたことがある人間が、かつての記憶を甦らせるのにちょうどよい本である。



書名・米中衝突  
作者・手嶋龍一・佐藤優
出版社・中公新書ラクレ
評価・5点

年に1冊くらい出る恒例の対談本。タイトルは米中衝突だが、主要な内容は北朝鮮を中心とした国際情勢について、である。そこそこ読みやすくて、そこそこ興味深い。



書名・向田理髪店  
作者・奥田英朗
出版社・光文社文庫
評価・7点

かつて炭鉱で栄えたが、近年すっかりさびれた北海道の小都市(モデルは夕張市あたりか?)が舞台の短編集。特別何が凄いっていうわけでもないのだが、ほのかに温かく、ほのかにユーモラスである。こういうのを書かしたらこの奥田さんと荻原浩あたりは巧い。



書名・君は月夜に光り輝く
作者・佐野徹夜
出版社・メディアファクトリー文庫
評価・2点

「みんなが泣いた最高のラブストーリー!25万部突破!」と煽られていたので普段あまり読まないライトノベル系ではあるが購入(電撃小説大賞受賞作らしい)。いわゆる余命わずかの少女とちょっと地味な少年の恋という超よくありそうなパターンである。大賞受賞作だけあって読みやすいのだが、特に感動したり、切ない気持ちになったりはしなかった。これは私が年をとりすぎたためであろうか。10代の頃に読んでいればもしかしたら感動したのかもしれない。



書名・私は存在が空気
作者・中田永一
出版社・祥伝社文庫
評価・6点

「百瀬、こっちを向いて」「吉祥寺の朝日奈くん」となかなかの秀作を発表した中田氏(正体は多分乙一氏)の新作文庫。ちょっとした超能力を持つ少年青年たちが主役の短編集。既視感のある内容が多いし、そこまで力も入っていないと思うが、結構好きである。個人的には「少年ジャンパー」が一番良かったかな、内容的にはアメリカのB級映画ジャンパーの設定そのままなのだが本家よりほんわかしており読後感が良かった。



書名・軍事の日本史
作者・本郷和人
出版社・朝日新書
評価・7点

最近日本史系の著作をどんどん発表している本郷さん。この人の著作の長所はとにかく「わかりやすく面白く書こう」という姿勢だと思う。そのあたりはあまり学者さんっぽくない。この本も「歴史観に左右されない史料分析と科学的思考に基づく軍事史研究」というなかなかにとっつきにくそうなテーマを追っているにも関わらず、非常にわかりやすかった(高校生くらいの時の私でも十分読めそうであった)。



書名・平成政権史
作者・芹川洋一
出版社・日経プレミアム
評価・6点

平成30年間の政治の歴史をその時その時の総理大臣を中心に振り返る本。新書で300ページなのでそれほど深い内容ではないが、それゆえとっつきやすい。サクサクッと読める。



書名・始皇帝の永遠  
作者・小前亮
出版社・講談社
評価・4点

いつも通り可もなく不可もなく。いつも通り読みやすいが始皇帝というそれなりにメジャーな題材なのでいつもほどのインパクトはなし。また、始皇帝という大きな闇を抱えた人物の深みに迫れたかと言えばそんな感じは全くしなかった。李信、王ホン、桓騎、蒙武、蒙恬など始皇帝の天下統一においてそこまでメジャーでない武将が勢揃いしたのはベストセラー漫画キングダムの影響か!?(笑)