ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2019年3月に読んだ本(2019年4月2日更新)

でぶぶの読んだ本考察|2019年3月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・横道世之介
作者・吉田修一
出版社・文春文庫
評価・7点

再読。九州から大学進学のために上京してきた横道世之介の1年間を描く青春小説。なんてことのない日常が描かれ、物語にちょっとしたスパイスが効かされるくらいなのだが、このテの小説の中ではなかなかの良作である。高良健吾と吉高由里子が出演している映画版もなかなか良い出来である。



書名・時生
作者・東野圭吾
出版社・講談社文庫
評価・8点

再読。十代で読んだ時には「東野さんの作品の中では普通くらいかな」という感想だったが、30半ばになって読むと「なかなんかの名作では」という感想に変わった。病死した息子が過去の親父に会いに行くという単純なタイムスリップものなのだが、名匠東野の手にかかるとなかなかどうして浪花節(主人公は江戸っ子だが・・)の名作に仕上がった。それにしても親父(過去バージョン)が馬鹿すぎるぞ・・・。



書名・龍は眠る
作者・宮部みゆき
出版社・新潮文庫
評価・7点

再読。高校時代に読んだ宮部さんの初期傑作。宮部さんの作品はそれなりに読んだけど初期の「魔術はささやく」「クロスファイア」などの超能力者シリーズは特に好きかな。人の記憶を読める少年の苦悩や成長を描く本作も名作と言えよう。



書名・なぜ大谷翔平はメジャーを沸かせるのか
作者・ロバート・ホワイティング
出版社・NHK出版新書
評価・6点

今までも野茂やイチローなど様々な日本野球関連の著書を出版しているアメリカ人のルポ。なお、タイトルは売るために大谷を全面に押し出しているが大谷に関する部分は3分の1程度で、その他の部分は日本プロ野球にやって来た助っ人外国人や日本人メジャーリーガーに関する総論的な内容である。スポーツ雑誌(ナンバーとか)を読むようなつもりで読んだら楽しめた。



書名・劉備と諸葛亮 カネ勘定の三国志
作者・柿沼陽平
出版社・文春新書
評価・6点

タイトルは「劉備と諸葛亮」だが、劉備と諸葛亮に多少重心を置くものの霊帝(十常時の時代だよ)の時代から蜀の滅亡あたりまでを総合的に取り扱う。ただ、個々の豪傑・軍師・名将でなく、経済や国力という面から三国志の興亡に迫る視点がなかなか新鮮である(三国志は英雄の物語なので、あえてそちら方面に重きを置く本は少ない)。また、学者さんの本の割には平易で読みやすく、既存の三国志本に食傷気味の三国志ファンでもとりあえず手に取る価値はあるかと思う。



書名・ 白ゆき姫殺人事件
作者・湊かなえ
出版社・集英社文庫
評価・5点

売れっ子作家の湊さんの作品。化粧品会社の美人社員が黒こげ死体で発見され、加害者と目される同僚女性への報道が加熱していく。一人の週刊誌記者が関係者にインタビューしていくという形式で書かれ、人間の悪意や集団心理、評価の揺れなどが描かれる。冤罪事件として名高い恵庭OL殺人事件をモデルにしたと思われるが、色々と考えさせられる小説である。



書名・裸の華
作者・桜木紫乃
出版社・集英社文庫
評価・6点

大怪我で引退したストリッパーのノリカが故郷札幌で店を開く。そのノリカの店に集うバーテン、ダンサー、お客たちが魅力的で特にひねりはないのだが桜木作品の中では後味が良い部類であろう。私はこういう世界にはあまり興味がないのだが、こういう世界に浸ってみたいなと思わせる桜木さんの筆致は流石である。なお、とりあえず牧田はいい齢してイカンと思うぞ。



書名・外道クライマー
作者・宮城公博
出版社・集英社文庫
評価・7点

那智の滝を無断で登攀して逮捕されたのがヤフートピックスのトップに載って有名になってしまった宮城さんの冒険ノンフィクション。この宮城さんは沢ヤ(沢を遡行する冒険をする人)兼クライマーという感じの人でなかなか破天荒な冒険をやっている人なのだが、はっきり言ってアホである。現在の、冒険がほとんど社会的意味がなくなった時代において冒険家という人種はアホでないと務まらないのだろうか。宮城氏はとにかくアホで下品でクソである(褒め言葉)。(多分)本人が運営するサイトの名前が「セクシー登山部」、ネット上での名前が「舐め太郎」という時点で立派な糞袋の一人である。



書名・歴史を応用する力
作者・宮城谷昌光
出版社・中公文庫
評価・5点

中国古代史の大家宮城谷先生のエッセイ的な本。久しぶりに宮城谷先生の「香乱記」か「楽毅」でも読みたくなった。



書名・壬生義士伝
作者・浅田次郎
出版社・文春文庫
評価・9点

再読。浅田版新選組。吉村貫一郎というマイナーな新選組隊士を主人公にしながら、その出来映えは新選組小説の白眉とも言える。司馬遼太郎の「燃えよ剣」と並ぶ名作と言えよう。