ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2019年4月に読んだ本(2019年4月30日更新)

でぶぶの読んだ本考察|2019年4月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・1981年のスワンソング
作者・五十嵐貴久
出版社・幻冬舎文庫
評価・5点

タイムスリップもの。現在から1981年にタイムスリップしてしまった俊介が未来のヒット曲(当時発表されていない世界にひとつだけの花とか)を発表していくというありがちなストーリーだが、エンタテインメント作家として平均的な力量の五十嵐さんの筆ゆえそこそこ楽しめる。ラストシーンはちょっと笑ったけど。



書名・「砂漠の狐」ロンメル
作者・大木毅
出版社・角川新書
評価・7点

第二次世界大戦のドイツ陸軍の英雄ロンメル将軍に関する最新の研究を踏まえた歴史書。天才的な名将というロンメルのイメージだが、実際にはどうだったのか。小規模部隊を率いる指揮官としては極めて優秀であるが、大部隊の司令官としては致命的な欠陥を持つ姿が浮かび上がってくる。非常に興味深い本である。



書名・乱と変の日本史
作者・本郷和人
出版社・祥伝社新書
評価・6点

日本の歴史上の幾つかの戦をピックアップ。有名な応仁の乱からマイナーな観応の擾乱や明徳の乱までをわかりやすく解説。この本郷さん、歴史学者の中では毀誉褒貶のそこそこ激しい人だけど読みやすいし分かりやすいし面白いからおすすめ。やっぱしまず手にとってもらわなあかんもんな。



書名・沖縄問題、解決策はこれだ!
作者・橋下徹
出版社・朝日出版
評価・6点

橋下さんの何故か沖縄本。半分くらいは大阪市長・知事時代の話だが、「沖縄の政治的意見を通すためには、こうやって中央と戦えばいいんじゃないけ。俺は大阪の時はこんな風に中央と戦ったぜ」みたいな内容。自身の経験に基づいているので机上の空論ではなく、それなりに具体的で橋下さんのような強い政治家であれば実現できそうな気もする。まぁ、右翼や保守の方々は気に食わん内容だろうな。



書名・米中もし戦わば 戦争の地政学  
作者・ピーター・ヴァロ
出版社・文春文庫
評価・6点

トランプ政権のブレーンでもある筆者が米中関係を軍事面に重心をおいて執筆。中国の狙いは?中国の実際の軍事力は?戦争の引き金になりそうなのは?戦争が起きた場合、戦場ではどのような事態になるのか?今後交渉の余地はあるのか?などの論点を、日本の威勢のよい保守評論家ではなく、アメリカの政権関係者が考察しているためなかなかに興味深い。



書名・探検家の事情
作者・角幡唯介
出版社・文春文庫
評価・5点

エッセイ集。本格的な探検ルポに比べればかなり力が抜けている。なお、文章は相変わらず上手い。このエッセイでは奥さんが結構登場するが、探検ばっかり行って、たまに帰ってくる時は原始人のニオイ(超臭い)をさせる男とよう結婚する気になったな、と思う・・・。



書名・帝国宇宙軍ー領宙侵犯ー1巻
作者・佐藤大輔
出版社・ハヤカワ文庫
評価・6点

いわゆるスペースオペラ(SF)もの。やけにゆるーい雰囲気を醸し出す銀河帝国の軍隊の天城大尉が主人公。物語の設定・主人公の造形などが良く、傑作シリーズになりそうが予感がプンプンしているのだが、作者永眠のため1巻で終了・・・惜しい・・・



書名・コクーン
作者・葉真中顕
出版社・光文社文庫
評価・6点

「ロストケア」「絶叫」などなかなかの社会派エンタテイメントを世に送り出す葉真中氏。今作では1995年に丸の内で起こった無差別乱射事件(むろん架空の事件である)の首謀者「シンラ智慧の会」にまつわる人々を描く。正直色々と詰め込みすぎで、舞台が1940年代の満州、万博の時代、現代を行ったり来たりする。シンラ智慧の会の教祖・天堂と直接的、間接的に関わった人たちによって物語が紡がれるのだが(天堂のパートは確かなかったと思う)、最後の最後でオウム真理教に絡めてくるとは・・・こういう風に麻原を登場させてよかったのだろうか(麻原はこの小説のようなまともな人間にはどうやってもならないと思うが・・・)。色々と問題もあるが、今回もそこそこの満足度である。恐らく別作品も読むことになるであろう。



書名・政治的に正しい警察小説
作者・葉真中顕
出版社・小学館文庫
評価・6点

多少ブラックユーモア寄りの短編集。骨太の社会派エンタメイント系作家かと思ったがなかなかどうして切れ味がよい。特に「カレーの女神様」は白眉ともいう出来。



書名・サブマリン
作者・伊坂幸太郎
出版社・講談社文庫
評価・4点

チルドレンの続編(チルドレンは短編集だったがこちらは長編)。家庭裁判所調査官の傍若無人な陣内さんが主人公のシリーズ物。かなり重いテーマを良い意味で軽く読ませる伊坂節は健在だが、昔に比べればインパクト不足な気が。いや、いい話なんだけど、「このシリーズ続きが読みたい」というような吸引力がない。



書名・スカウト・バトル
作者・本城雅人
出版社・講談社文庫
評価・7点

スカウト・デイズの続編。プロ野球球団のスカウトたち、アマチュア選手、ドラフト会議などの光と影を描く小説。読者層はかなり限定されると思うが、プロ野球好き、ドラフト好きの私からすればかなりの面白さである。