ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2019年6月に読んだ本(2019年7月1日更新)

でぶぶの読んだ本考察|2019年6月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・国境の南、太陽の西
作者・村上春樹
出版社・講談社文庫
評価・8点

再読。主人公の僕、島本さん、イズミ、有紀子を中心に物語は展開する。一見冴えないが女たらしの僕の女遍歴的な小説で、色々とお洒落さや理屈やみずみずしい文書でオブラートに包んでいるがはっきり言ってヤリちん野郎のゲスい小説である。ただ、昔から何故かこの小説は結構好きなのである。理由はよく分からん。



書名・金曜日の女
作者・笹沢左保
出版社・祥伝社文庫
評価・3点

昭和の時代に書かれた小説であるが、近年新装版が出版され新刊書店で面陳されるなど推されていた。それにつられて読んでみたが、これは何系の小説なのだろう?展開の仕方や解説からはどんでん返し系のミステリーかと思ったが・・・。ミステリー的な要素はあるのだが、やけにエロ描写が多く、親子の骨肉の争いもあまり盛り上がらず、ついでに最後の後味も悪い。それなりに読みやすくはあるが、今更書店で推すほどの小説でもないと思うのだが・・・。



書名・双蛇密室
作者・早坂杏
出版社・講談社文庫
評価・4点

援交探偵・上木らいちシリーズ第4弾!相変わらずトリックはメチャクチャで、捜査中に捜査対象と息を吐くように自然とセックスする援交探偵は何とも馬鹿馬鹿しい(分かっていたけど買ってしまった・・・これは中毒性か・・・)。解説で「早坂杏は変態なのだ」と評される、そんな作者が書いた小説なのだ。



書名・歴史戦と消耗戦
作者・山崎雅弘
出版社・集英社新書
評価・5点

近年出版界や言論界で繰り広げられる「歴史戦」について解説した真面目な本。まあ要は「今までの自虐史観を覆し、南京問題、慰安婦問題など大東亜戦争関連で不当に評価されている日本の評価を覆そう!ついでに韓国・中国いつまでも好き勝手言ってんじゃねーぞ!」というような動きが、昨今の日本では隆盛しつつあるけど、実際そういう動きをしている奴らの言うとることは正しいんか?というような点を考察した本です。山崎さんは戦史研究家という肩書きの割には(右か左かどちらか選べと言えば)左寄りですね。私は、どちらかと言えば右寄りの人間だと思うのですが、この本の内容に関しては山崎さんに賛成ですかね。昨今本屋でよく見かける右寄りな雑誌や勇ましいタイトルの本などは、正直恥ずかしく感じますね。極論には心地よさがあるかもしれませんが、歴史・戦争・政治はそう簡単に白か黒かで区分けできるものではないように思います。昭和の大日本帝国のような夜郎自大は自らを滅ぼします。それを反面教師として強い国家を作り上げようというのであれば、憲法改正も自衛隊の国防軍化も賛成ですが、多くの人はそうではないようです。



書名・脱出老人
作者・水谷竹秀
出版社・小学館文庫
評価・6点

老後を暖かく、物価も安いフィリピンで過ごそうと考える日本の老人たちの天国と地獄をとらえるルポルタージュ。彼らがフィリピンに向かった経緯は様々だが、フィリピンも決して楽園ではなく、上手く適応できた老人はそれなりに幸せな老後を送ることになるし、適応に失敗した老人は日本にいた時以上に悲惨な老後を送ることになる。成功者でなく海外で暮らす普通の人又は落伍者を追う類書が少ないタイプのノンフィクションで作者の今後の著作が期待される。



書名・血涙 新・楊家将
作者・北方謙三
出版社・PHP文庫
評価・6点

再読。名作・楊家将の続編。どんどん史実とかけ離れていっている点、前作の最後で楊家の家長・楊業が戦死したことなどから多少テンションが下がる。敵味方に分かれた楊家の武将たちが武門の意地、己の意地をかけて哀しい戦いに挑む。浮き世離れしてしまい、水滸伝の花和尚みたいになってしまった楊家のやさぐれ五郎がいい味を出している。「甘い女だな。おまえは。俺はまだ、なにもやっておらん」言いてえなこんなセリフ(笑)



書名・政治を選ぶ力
作者・橋下徹・三浦瑠麗
出版社・文春新書
評価・4点

ご存じ橋下氏と最近何かと話題の国際政治学者三浦さんとなかなか良さげな組み合わせの様々な観点から政治について語り合う対談本なのだが、今いち議論がかみ合っていないような気がするのは気のせいか。本として面白さは橋下さん単独の著作の方が上かな・・・。



書名・片想い
作者・東野圭吾
出版社・文春文庫
評価・8点

再読。彼らが名門大学のアメリカンフットボール部で過ごした青春の日々から10年が過ぎた。その仲間の一人が巻き込まれた殺人事件が、彼らの日常を揺るがす。それぞれの立場、信念、想いが交錯し、哀しいがそれしかないであろう結末を迎える。性同一障害など現在世界中で注目されている性の問題を絡めた本作は20年以上前の作品とは思えない。東野文学の名作の一つだろう。



書名・地球連邦の興亡 1巻〜4巻
作者・佐藤大輔
出版社・中公文庫
評価・7点

人類と異星人の大戦争第一次オリオン大戦が終結。戦争ではなく戦争後の戦後処理によって高まる人類の不満、そして辺境惑星における内乱(と言うか大規模暴動)を描く作品。独特な着眼点だがシミュレーションの名手・佐藤大輔が書くだけあって文句なしに面白い。・・・が、佐藤大輔だけあってやはり尻切れトンボで終わっている。