ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2019年8月に読んだ本(2019年9月8日更新)

でぶぶの読んだ本考察|2019年8月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・危険なビーナス
作者・東野圭吾
出版社・講談社文庫
評価・5点

独身獣医の伯朗に弟嫁の楓が訪ねて来るが、彼女が言うには弟が失踪してしまったと・・・流石の東野圭吾で最後まで一気に読ますリーダビリティは見事である。ただ、作品全体が何となく軽い。それなりに重そうなテーマを取り扱っているのにやけに軽い。しかも、ラストの脱力ぶりと言ったら・・・。東野さんかなり気軽な気持ちで書いたんだろうな、という感じの作品である。まあ面白いので2時間ドラマを見るような軽いノリでページをめくろう。



書名・沈黙の子どもたち 軍はなぜ市民を大量殺害したのか
作者・山崎雅弘
出版社・晶文社
評価・6点

タイトル通り重い内容。ゲルニカ・上海南京・アウシュビッツ・シンガポール・リディツェ・沖縄・広島など軍隊による大量虐殺を、@情景の描写A背景・経緯Bその波及的効果の3つの点から論考する。それなりに客観的な内容で、山崎氏という多作の戦史研究家の書いたものだけに読みやすく、日本人があまり触れたがらない問題を容易に学べる。



書名・ラストナイト
作者・薬丸岳
出版社・角川文庫
評価・6点

顔面にヒョウ柄の刺青を入れ、犯罪と刑務所への入所を繰り返す片桐。真面目なはずだった男がなぜ次々と犯罪を繰り返すのか、男の哀しい決意が胸をうつ。片桐視点の話はなく、片桐周辺の人間の視点で5編の物語がつづられる。文庫で250ページという分量は読みやすい上、一気読みさせる作家だけに短時間で読み終わること間違いなし。ただ、片桐の動機に関しては一応筋道は通っているのだが、いくらなんでもそのためにそこまでするか?強引すぎないか?別の方法もあっただろ?と思ってしまう。



書名・闇に香る嘘
作者・下村敦史
出版社・講談社文庫
評価・6点

著者のデビュー作(江戸川乱歩賞受賞作)主人公が盲目であり、その盲目である点を生かしきったミステリー。著者は乱歩賞に9年連続で応募し、本作でやっと受賞できた苦労人らしいが、本作はデビュー作と思えないほどこなれており、一気に読ませるリーダビリティはかなりのものである。エンタメ系ミステリーの書き手として今後世にはばかっていくではないかと思う。



書名・生還者
作者・下村敦史
出版社・講談社文庫
評価・6点

今度は山岳ミステリ。雪崩が発生した死の雪山から生還した二人の男、雪山で起きたある出来事に関する証言が真っ向から対立する。どちらの証言が真実なのか、また何故嘘をついたのか。凄まじい傑作とは思わないがエンタメ系ミステリとしては平均点以上の出来で読ませる力は十分。もう一皮むければ売れっ子作家になれそうな気がするよ下村さん。



書名・失踪者
作者・下村敦史
出版社・講談社文庫
評価・6点

生還者に続く山岳ミステリ。十年前の転落事故で深いクレパスの底に置き去りにしてしまった親友・樋口。その親友の遺体を持ち帰るために再びシウラ・グランデ峰に登る主人公・真山。氷河の底で氷漬けになっていた樋口の遺体は年老いていた。果たして事の真相は・・・。魅力的な謎と不器用な山男たちの絆が描かれる。失踪者とあわせて読んで損はないと思う。