ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2020年1月に読んだ本(2020年2月13日更新)

でぶぶの読んだ本考察|2020年1月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・戦始末
作者・矢野隆
出版社・講談社文庫
評価・5点

新進気鋭の歴史作家・矢野さんの短編集。矢野さんの本を読んでみたいと思っていたので、とっつきやすそうな短編集を購入。敗軍の後始末(殿戦とか)が短編の舞台で、金ヶ崎退き口の秀吉、長篠の馬場美濃守、賤ヶ岳の柴田勝政(勝家の養子)、長久手の堀秀政、岩屋城の高橋紹運、関ヶ原の島津などが描かれる。どれもそこそこ読ませるのだが(この中では堀秀政の短編が好きかな)、同様の新進歴史作家・木下昌輝さんの短編集(宇喜多の捨て嫁)を読んだ時の衝撃にははるかに及ばない。ただ、悪かったわけではないので、もう一作くら矢野さんの作品を試してみたいと思う。



書名・燕雀の夢
作者・天野純希
出版社・角川文庫
評価・6点

歴史短編集。戦国時代の英雄たちの父親が主人公となる。織田信秀(信長の父)、長尾為景(上杉謙信)、武田信虎(武田信玄)、伊達輝宗(伊達政宗)、松平広忠(徳川家康)、木下弥右衛門(豊臣秀吉)らである。その事績をほとんど知らなかった長尾為景、そういう解釈ははじめて見たな、という木下弥右衛門の2編が特に良かった。天野さんの本は何冊か読んだが、どちらかと言えば長編より短編に力を感じるのだがどうだろう?



書名・教養としてのヤクザ
作者・溝口敦・鈴木智彦
出版社・小学館新書
評価・6点

現在ヤクザに関する対談本。「食肉の帝王」などでアウトローノンフィクションの大御所的な溝口さんと「ヤクザと原発」「サカナとヤクザ」などで売り出し中の鈴木さんの対談だけあって読みどころが満載。法律・警察・世間などの包囲網で苦しさを増していくヤクザが印象的である。



書名・一瞬の光
作者・白石一文
出版社・角川文庫
評価・7点

大御所作家の一人となった白石一文のデビュー作。文庫で600ページ近い大作。主人公は38歳イケメン東大卒のスーパーサラリーマン・・・(この設定によって今まで手を出していなかった)。企業小説でもあるし、恋愛小説でもあるし、独特の白石節小説でもある。主人公の浩介と浩介の恋人・瑠衣(スーパー美女)と香折(かなりメンヘラ気味の一般論で言えば地雷女)の特殊な三角関係を描く。最後の結論は物語の展開的にそれしかないのだろうが、私は浩介がこの女にどうしてそこまで惹かれるのかあまり理解できなかった。色々と釈然としない内容ではあるものの、600ページという分量を特に苦もなく読ませる白石一文の作家としての力量は確かであり、とりあえず読んで損はない作品と言えるかも。