ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2020年5月に読んだ本(2020年6月1日更新)

でぶぶの読んだ本考察|2020年5月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・信玄の戦争
作者・海上知明
出版社・ベスト新書
評価・7点

副題は「戦略論孫子の功罪」。武田信玄を主に軍事面から考察する本。近年は以前ほどの名将の評価を得れなくなった武田信玄だが、実際に彼の軍事能力は如何ほどのものであったのか「通説」に挑む。そして、(作者の主観からすれば)孫子の体現者であり圧倒的な名将であった武田信玄がマキャベリの君主論の体現者のような信長に最終的に勝利できなかった理由を解き明かす。かなり作者の主観が入っており「実際にはそんなことはないだろう」と思う部分も多いが、それゆになかなかに面白い仕上がりである。他の戦国武将を主役にした著者の軍事書物も読んでみたいが、ほとんど出版されていないようだ。



書名・女帝 小池百合子
作者・石井妙子
出版社・文藝春秋
評価・8点

著名ノンフィクション作家による東京都知事・小池さんの評伝。力作である。一気に読み終えたが「なかなか凄い本を読んだ」というのが第一観だ。小池さんの生い立ちから、疑惑のエジプト留学時代、テレビ出演時代から国会議員、東京都知事になるまでを綿密に取材している。本書を読む限り小池さんはひたすら上を目指し、嘘をつくことも厭わないサイコパス気質な女性である。ただ、近く行われる東京都知事選(小池さんは多分出馬する)においては小池さんの再選は確実であろう。強力な対抗馬もなく(さすがにホリエモンが当選することはあるまい)、疑惑・虚飾まみれの小池さんと言えども政治家としての能力(何かを成し遂げたり創出するのではなく、選挙力・カリスマ性・演出力といった類のものだが)はそれなりに高いため、コロナ危機の現状で小池さんを落選させるのが良いとも思えない(それなりの対抗馬がいれば別だが、現在の情勢では立候補すまい)。個人的には本書の内容は大筋において事実であろうと思う(当然細かい間違いはあると思うが)。この本が面白いのは著者の力量や綿密な取材によるだけでなく、小池百合子の人生自体の破天荒さにもよるであろう。底知れぬ深みを持つ怪物と言うべきか・・・そこまで言うと小池さんを褒めすぎか・・・。



書名・ヒトラーの大衆扇動術
作者・許成準
出版社・彩図社
評価・5点

ヒトラーは独裁者だが民衆が選んだという側面もある。彼がどのように民衆の心を掌握し意のままにあやつったのか、細部まで計算されたヒトラーの演出に迫る内容。ヒトラーの演説はロックコンサートのようであり、人々を熱狂させたという、私たち一般庶民にはあまり関係ないかもしれないが政治家などは彼のやり方を勉強すべきだろう(もうしてると思うが)。



書名・灰緑色の戦史
作者・大木毅
出版社・作品社
評価・7点

大木さんのドイツ軍に関する小論・コラム集といった感じ。シュリーフェン計画、万シュタインの師ロスベルク、ゼークトVSラインハルト、ヒトラープログラム学派、フランスから見た電撃戦、銀狐作戦、ロンメル小考、マンシュタイン考察、シチリア撤退、ゼーロフ高地の勝利など多岐にわたるため深い内容とは言えないが、興味のある部分をつまみ食いするような読み方もできる。やはり大木さんは文章に独特の味があって良いと思う。ちなみに灰緑色はドイツ国防軍の制服の色。



書名・ドイツ軍攻防史
作者・大木毅
出版社・作品社
評価・7点

「ドイツ軍事史」や「灰緑色の戦史」と同じテイストのドイツ軍に関する小論・コラム集。ミュラーの砲兵戦術、マルヌの会戦、ヴェルダン要塞攻防戦、カイザーの戦いなど第一次世界大戦に関する内容もそこそこ含まれる。第二次世界大戦に関する内容としては、ゲルニカ、シュトデント将軍、ヒトラーの戦略構想について、ダンケルク撤退、バロバロッサ作戦、マンシュタイン関連などなど。相変わらず面白いが欠点は本の価格が高いことである。





書名・小説フランス革命3 バスティーユの陥落
作者・佐藤賢一
出版社・集英社文庫
評価・5点

覚醒したデムーランに扇動された民衆は悪名高きバスティーユを陥落させる。バスティーユ陥落を受け第三身分が議会を掌握。人権宣言がなされる。第三身分の中でも多数を占める急進派(ロベスピエール含む)と国王に一定の配慮をする深慮遠謀のミラボーが対立。パンを求めるパリの女どもがルイ16世ら国王家族をヴェルサイユからパリ市中のテュイルリ宮へ連れ去る。もう色々めちゃくちゃな状態である(笑)これでミラボーが死んだらやばい奴しか残らねーよな(笑)