ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2020年6月に読んだ本(2020年6月29日更新)

でぶぶの読んだ本考察|2020年6月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・ 民主主義という病い
作者・小林よしのり
出版社・幻冬舎
評価・6点

久しぶりに小林よしのりゴーマニズム宣言のスペシャル版を読んだ。最早売れ行きという面では小林にかつての勢いはなく、ネットでもあまり評判はよくない、それでも70近い年齢になりながら精力的に言論漫画を書き、しかも安住せずに多種多様なテーマに突っ込んでいく姿や意欲は天晴れと言うほかない。本作は民主主義の本質について小林が説くという感じであるが、何故か全体の3分の1がフランス旅行フランス料理のグルメ漫画(民主主義の総本山フランスゆえか)、民主主義部分に関しては本来民主主義というのはパラダイス的なものではなく国民に覚悟が求められる政治形態なのだということが強調されている。なかなかに興味深い内容であった。漫画だが一読だけでは理解できてない部分もあったので時間をあけてからもう一読くらいしてみようと思う。



書名・秀吉の活
作者・木下昌輝
出版社・幻冬舎文庫
評価・6点

木下版太閤記。秀吉の人生を就活、婚活、勤活、昇活、妊活、終活、朝活など10の活で切り取る。よってかなり断片的な内容になるのだが、それでも流石は秀吉600ページの大分量である。読みやすく、それなりに面白くて、一日で一気読みできたのだが、木下さんに期待しているのはこれではないような気もする(何と言うか、あまり重々しさがなかった)。面白いが、宇喜多の捨て嫁で受けたような衝撃は全くない。



書名・1ミリの後悔もない、はずがない
作者・一木けい
出版社・新潮文庫
評価・6点

女による女のためのR−18文学賞を受賞した「西国疾走少女」をはじめとし、5編からなる短編集。一応全ての物語がリンクしているのだが、あまりまとまりがない(統一性がない)短編もあり、全体を通してとなると、ちょっと首をかしげる部分もある。ただ、個々の物語の出来は出色であり、この作家の別の著作を読んでみたいと思わせる。(多分)主人公の由井(女性)もなかなかに魅力的なのだが、ところどころ出てくる高山(高校時代は運動部のスターで頭脳明晰、20代はイケメン女遊び野郎、30代後半はフリーター太り気味生気なし自称司法試験浪人)の何とも言えぬだらしのなさがツボである。彼が主人公の物語も読んでみたい気がする(多分需要はなく売れないだろうが)。



書名・ホワイトラビット
作者・伊坂幸太郎
出版社・新潮文庫
評価・4点

文庫になったらとりあえず読んでみる伊坂幸太郎。仙台で起こる立てこもり事件が物語の舞台で、単純に見える立てこもり事件が実は様々な人間の関与によって複雑きわまりない騙し絵状態になっているという伊坂さんぽい物語。お馴染みの黒澤さんも出てくる。ただ、何と言うか技巧に走りすぎのような気がする、よくできただまし絵だとは思うのだが・・・。





書名・小説フランス革命4 聖者の戦い
作者・佐藤賢一
出版社・集英社文庫
評価・5点

聖者とは第一身分の聖職者のことを指す。議会で聖職者(教会)の資産の国有化が議論されはじめる。当然聖職者側が抵抗。ナポレオン時代にも名を残すタレイランが登場。タレイランは自らも聖職者でありながら教会制度の破壊にまい進する。そしてついに生真面目な男ロベスピエールが一本立ちしていく。



書名・小説フランス革命5 議会の迷走
作者・佐藤賢一
出版社・集英社文庫
評価・5点

劣勢の議会を自らの雄弁で制圧するミラボー、マリーアントワネットとも面会し、絶妙のバランス感覚で政界を泳ぐ。アヴィニョン問題。ナンシー事件。両世界の英雄と言われたラ・ファイエットが軍を掌握し権勢を強める。