ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2022年11・12月に読んだ本(2023年1月25日更新)



でぶぶの読んだ本考察|2022年11・12月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・。

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・ 罪の轍
作者・奥田英朗
出版社・新潮文庫
評価8点

昭和中期が舞台、実際にあった事件がモデル、800ページ超の分量など手を出すのに躊躇するようなシロモノだったが、読み始めると止まらない。さすが奥田さん、見事なリーダビリティである。ただ、帯にあるような傑作ミステリではなく、登場人物各人の視点から細かく書き込んだ群像劇型サスペンスというべきか。



書名・連続殺人鬼カエル男
作者・中川七里
出版社・宝島社文庫
評価・4点

量産体制に入っているエンタメ作家中川さんのデビュー作。タイトルからしてB級作品ぽいが(このミス大賞はそんな感じの作品も多い)ちゃんとエンタメミステリ作品に仕上がっている。ただ、デビュー作ゆえかところどころ文章のなめらかさが足りないような感じもする。また、あえてB級っぽいタイトルを採用したのもこの作品に関しては(セールス面で)プラスに働いたと思う。



書名・橋下徹の研究  
作者・百田尚樹
出版社・飛鳥新社
評価・5点

ネット上で橋下さんと罵倒しあっているベストセラー作家百田さんが、対橋下さんの鬱憤を晴らすかのような本(笑)まあ弁護士でもある橋下さんに訴えられる可能性も考えてかそこまでボロクソには書いていない(笑)橋下さんのメディアでの発言内容、ツイッターのツイートを引用し、それらを分析、慇懃無礼にこき下ろすといような感じ。決して硬質なルポでなく後々に残るような内容ではないが、さすが百田さんだけあってそこそこ読みやすい。YouTube上で本人曰く「全編橋下徹の悪口です」。



書名・罪人の選択
作者・貴志祐介
出版社・文春文庫
評価・5点

寡作なエンタメ作家貴志さんの短編集。書かれた時代(87年の作品から2017年の作品まである)がバラバラで内容に統一感はない。4編のうち表題作の「罪人の選択」はミステリ―チックな内容だが、他の3編はSF短編という感じか。いつもの貴志さんのエンタメ作品を期待するとちょっと肩すかしをくらうかもしれない。



書名・ブラジル蝶の謎
作者・有栖川有栖
出版社・講談社文庫
評価・5点

有栖川有栖氏の看板シリーズである国名シリーズの第3弾。そこそこのクオリティの短編六篇が収録されている。「ブラジル蝶の謎」まあまあ面白い。「妄想日記」なるほど!「彼女か彼か」最後の蘭ちゃんが(笑)「鍵」鍵の正体はちょっと脱力した。「人喰いの滝」トリックはちょっと笑った。その発想はなかった。「蝶々がはばたく」これでトリックのネタになるんや!っていう感じ・・・・全体的に安定感はあるけど爆発力はないという感じのいつもの有栖川さんでした。







署名・袋小路の男
作者・絲山秋子
出版社・講談社
評価・6点

付き合ってはいないけど近しい関係の男と女の物語。何とも説明しづらい小説だけどまあまあ好きな小説だ。また、単行本を購入したけど表紙が好き。



書名・青色賛歌
作者・丹下健太
出版社・河出書房新社
評価・6点

京都を舞台にしたモラトリアム的な青春小説。著者の丹下氏はこの作品で文藝賞を受賞しデビューしたらしいがそのあとは鳴かず飛ばずのようだ。そこそこ好きな作風だけど(題名は青臭すぎて恥ずかしいが・・・)これでも生き残れないとは作家の世界は厳しいんだな、と思う。



書名・スクラップ・アンド・ビルド
作者・羽田圭介
出版社・文藝春秋
評価・4点

芥川賞受賞作。筋トレ、転職活動、セックス、介護など青年の日常が描かれるが、正直「これで芥川賞か・・・」という感想である。羽田氏の作品はほとんど読んでいないので偉そうなことは言えないが、それなりに多作で(純文学界隈では)名の売れた作家さんだけに「他にもっと(芥川賞受賞作として)良いのがあったんじゃないの?」と思わないでない。