ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2023年5・6月に読んだ本(2023年7月31日更新)



でぶぶの読んだ本考察|2023年3・4月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・。

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・おいしいごはんが食べられますように
作者・高瀬隼子
出版社・講談社
評価4点

芥川賞受賞。そのタイトルと可愛い表紙からハートフルストーリーかと思いきや終始不穏な感じの空気が流れていた。読みやすいけど読後感の悪さは間違いなし。



書名・ビニール傘
作者・岸政彦
出版社・新潮社
評価・7点

社会学者が書いた大阪小説。此花区、西区、福島区あたりの大阪の下町が舞台の散文チックな小説。特別なストーリーがあるわけでなく点描という感じであるが、大阪を舞台にしたこういう小説は類書が少ないと思う。表紙や本分中に挿入される大阪のどこにでもありそうな写真もいい感じである。



書名・図書室
作者・岸政彦
出版社・新潮社
評価・7点

短編「図書室」とエッセイ的な「給水塔」を収録。まず表紙を含めた本の雰囲気が良い(ぶっちゃけ岸さんの本は表紙買い、である)。50歳になった大阪の下町の団地に住む平凡な独身女性が10歳の時を回想する「図書室」は大阪小説らしからぬ静謐さに惹かれた。全編関西弁でこの静けさ・上品さを出せるのはなかなか凄い。



書名・リリアン
作者・岸政彦
出版社・新潮社
評価・5点

大阪の場末の町(我孫子町)で暮らすぎりぎり音楽で食えている中年男と同じく場末の酒場で働く年上の女の(よく分からん造語やが)あっさりとした哀愁が漂う物語。悪くないけど「ビニール傘」「図書室」と3作連続で読むと流石にちょっと飽きが・・・。物語の匂いが似すぎている。



書名・大阪
作者・柴崎友香・岸政彦
出版社・河出書房新社
評価・7点

大阪の大正区で大人になるまで過ごした芥川賞作家の柴崎さんと大学時代からずっと大阪で過ごしてる社会学者・作家の岸さんの大阪に関するエッセイ。一章ずつ交互に柴崎さんと岸さんが書いているのだがそれがいい味となっている。大阪に長く住んだ人間なら味わい深い内容であること間違いない。







署名・乱都
作者・天野純希
出版社・文春文庫
評価・6点

応仁の乱から戦国時代にかけての京都を舞台とした短編集。応仁の乱の中心にいた闘将・畠山義就、半将軍や天魔と称された細川政元、大内義興、細川高国など名前は聞いたことはあるが小説ではあまり書かれてこなかった人物たちの物語はなかなかに興味深い。



書名・天魔ゆく空 上下
作者・真保裕一
出版社・講談社文庫
評価・3点

上記乱都で細川政元に興味が出たので、彼を主人公にした本作を読んでみた(それにしてもホワイトアウトの真保裕一がこんなマイナーな人物の長編小説を書いているとはちょっと意外であった)。結論から言うと面白くなかった。何というか物語が平淡な感じで淡々と進んでいくように感じるのだ。細川政元はプチ信長的な行動力の持ち主で大貴族に関わらず修験道にのめり込んだりと癖の強い人物なのにあまり魅力を感じられないのだ。真保さんの小説は何冊か読んだが、やっぱり行儀が良すぎると思う。



書名・神のふたつの貌
作者・貫井徳郎
出版社・文春文庫
評価・7点

再読。田舎町の教会の牧師が主人公。地味な題材で特に面白いことが起こるわけでもなく(お約束の殺人は起こるが・・・)、舞台はほぼ田舎の教会と田舎町にも関わらず異常なまでのリーダビリティの高さは何たることか。貫井さんののっている時期の作品。



書名・ウクライナ戦争の嘘
作者・佐藤優・手嶋龍一
出版社・中公新書ラクレ
評価・6点

いつものコンビの対談本(このシリーズは好きである)。今回はウクライナ戦争中心。ウクライナ戦争の原因や見通しをインテリジェンスに語る興味深い一冊。「ウクライナ正義。ロシア悪いでは戦争は終わらない」というのはその通りだと思う。



書名・同人AV女優 貧困女子とアダルト格差
作者・中村淳彦
出版社・祥伝社新書
評価・6点

AV業界の今後に関するルポとと色々なカテゴリーのAV女優のインタビュー。意外に真面目な一冊。



書名・窓の灯
作者・青山七恵
出版社・河出書房出版社
評価・3点

文藝賞受賞作。深夜のささやかな覗き行為が趣味の若い女性が主人公のよく分からん小説。ミニシアター系の映画とかにしたら映像は綺麗かと思う。