ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2023年7月・8月に読んだ本(2023年10月4日更新)



でぶぶの読んだ本考察|2023年7月・8月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・。

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・辺境の路地へ
作者・上原善広
出版社・河出書房出版社
評価・7点

「路地の子」や「日本の路地を旅する」など部落(路地=部落)関連のノンフィクションを多く発表してきた著者のエッセイ集(散文集と言うべきか)。かなりゲスい内容もあるし、しょうもない内容もあるのだが文筆家としての上原氏の能力は確かであり、カスい内容でも読み応えは尋常でない。



書名・唐牛伝
作者・佐野眞一
出版社・小学館文庫
評価・3点

60年安保の全学連委員長・唐牛健太郎の足跡を追うノンフィクション。佐野氏の唐牛健太郎への過剰な想い(というより学生運動への、か)は感じるものの、本自体はあまり面白くない。調査記録といった感じで、資料としての価値はありそうだが・・・。あの時代を生きた人間であれば別の感想が出るかもしれないが・・・。



書名・極楽征夷大将軍
作者・垣根涼介
出版社・文藝春秋
評価・7点

直木賞受賞作。南北朝時代の足利尊氏の物語、と言っても尊氏の視点はなく弟の足利直義と足利家執事の高師直の2つの視点で描かれる。尊氏のキャラがちょっと緩すぎる気もするが、複雑怪奇な南北朝時代をそれなりに読みやすい感じに仕上げた良作。



書名・海泡
作者・樋口有介
出版社・創元推理文庫
評価・5点

内田康夫の浅見光彦シリーズのように安心して読める樋口的青春ミステリ(ある意味金太郎飴のような感じである)。さわやかな青年と美女とスパイスのような謎、期待以上にはならないけど期待以下にもならない。舞台は夏の小笠原諸島である。



書名・雪密室
作者・法月綸太郎
出版社・講談社文庫
評価・6点

法月シリーズ第1作目。どちらかと言えば法月警視(パパ)の登場の方が多い。綸太郎(息子・名探偵)は1作目だけにキャラが中途半端な感じもする。雪の山荘で金田一少年ぽいトリックが炸裂(時期的に本家はこちらかもしれんが)。あまり評価は高くないようだが読みやすくてちょうどよい長さで、そこまで気合をいれない読書にちょうどよいかも。







署名・犬のかたちをしているもの
作者・高瀬隼子
出版社・集英社
評価・3点

おいしいごはんを食べれますようにで芥川賞をとった高瀬さんのデビュー作。なんか色々と理解しがたい。



書名・ある行旅死亡人の物語
作者・武田惇志
出版社・毎日新聞出版
評価・8点

共同通信の記者である武田氏らが尼崎のアパートで孤独死した身元不明の女性の軌跡をたどるルポルタージュ。解明された謎も解明されなかった謎もあるが、ミステリ小説と違って現実とはそういものなのだろう。人はそれぞれ他人には理解しがたい物語を抱え、時には誰にも語らず消えてゆくのだろう。