ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2023年9月・10月に読んだ本(2023年11月24日更新)





でぶぶの読んだ本考察|2023年9月・10月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・。

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・メルカトル悪人狩り
作者・摩耶雄嵩
出版社・講談社文庫
評価・5点

摩耶さんのシリーズ探偵メルカトル鮎の短編集。読みやすいが「メルカトルかく語りき」や「メルカトルと美袋のための殺人」に比べるとアクの強さが弱まっている。



書名・忘れないと誓ったぼくがいた
作者・平山瑞穂
出版社・新潮社
評価・3点

高校生が主人公のメルヘンチックな恋愛小説。2006年の作品だが当時はこういう系がはやっていたような気もする。読みやすいがおっさんには厳しい内容。10代から20代の女性あたりが想定される読者層か。



書名・死に山
作者・ドニー・アイカー
出版社・河出書房出版社
評価・6点

副題が「世界一不気味な遭難事故 ディアトロフ峠事件の真相」。1959年にロシアで起きた未解決で不気味な遭難事故についてのノンフィクション。ディアトロフ峠事件は60年以上前にもかかわらずインターネット上でいまだに多くの素人探偵の興味を引きつける怪事件である。大学生の精鋭登山チーム9名が真冬の雪山で衣服もろくに着けずにテントから1キロ以上離れた場所で凄惨な死に様で全滅。多くの不可解な点が残っているこの事件にアメリカ人のドキュメンタリー映像作家が挑み、一つの解決を提供するのが本書である。読み応えは十分で、科学的な見地からの解決は荒唐無稽とは言えない(完全には理解できないが、そういうこともあったかもしれないという微妙な納得感はある)。「彼らがなぜテントから急に脱出せざるを得なかったのか、という点さえ説明できればその他の問題点は全て合理的な説明がつく」というのはなるほどと思った。



書名・嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか
作者・鈴木忠平
出版社・文藝春秋
評価・9点

落合と落合中日の8年間に関するノンフィクション。文句なしに面白い。この時期にプロ野球を見ていた野球ファンからすれば非常に興味深い内容。作者がちょっとドラマチックに書きすぎている感はある、しかし500ページ近いぶっとい本を1日で読まされてしまった。



書名・そら、そうよ 勝つ理由、負ける理由  
作者・岡田彰布
出版社・宝島社
評価・6点

14年に書かれた本だが、岡田阪神の優勝特需を見込んで重版。内容は、ほろ酔い気分の岡田さんの自慢話を延々と聞かされるような内容(笑)まぁ阪神ファンで岡田さんの語り口になれている人であればそこそこ楽しんで読めるとは思う。なお、オリックス監督をクビになってから程ない時期に書かれた本であるためかオリックスをディスる内容多数でオリックスファンは要注意(笑)







署名・砂まみれの名将 野村克也の1140日 
作者・加藤弘士
出版社・新潮社
評価・7点

野球ノンフィクション。ノムさんのプロ野球監督時代ではなく、サッチー事件で阪神を追われた後のアマチュア野球監督時代(シダックス監督時代)を題材とした作品。ノムさん史においてはエアポケットのような時代だけに、数多くのノムラ本でもこの時代に光をあてたものはなかったように思う。野間口、武田勝、森福、小山、加納など知った名前もチラホラと出てくるなど非常に興味深く読ませてもらった。



書名・星野と落合のドラフト戦略 元中日スカウト部長の回顧録
作者・中田宗男
出版社・カンゼン
評価・8点

30年以上にわたり中日ドラフトの中枢にいた著者が年ごとに中日のドラフトをふり返る回顧録(暴露本的要素もあると思う)。ドラフトファンや90年代、00年代のセリーグファンにとってはかなり興味深い内容となっている。



書名・裏オプ JKビジネスを天国と呼ぶ女性高生12人の生告白
作者・高木瑞穂
出版社・大洋図書
評価・5点

ルポルタージュ「売春島」で名を売った高木さんのルポ。煽情的なタイトルだがエロ要素は少なくJKビジネスの実態とそこで働く女の子の思考回路を追っている。何かを得る本ではなく「こんな世界もあるんだね」という感じで読む本か。



書名・水たまりで息をする
作者・高瀬隼子
出版社・集英社
評価・5点

帯に「夫が風呂に入らなくなった」とあるがまさにその通りの話。文字なのに臭い気分になってくるし、何が言いたいのかよく分からんかったりするのだが、読みやすいし他の作品も読んでみたくなる不思議な感じの作家さんである。



書名・うるさいこの音の全部
作者・高瀬隼子
出版社・文藝春秋
評価・5点

ペンネームで小説を書いていることが職場など周囲にばれてからの日常の変化を静かで不穏な筆致で描く小説(多分実話ではない)。作中作部分と本編部分が入り交じってちょっと混乱したときもあったが1日ですっと読み終わった。純文学ながらエンタメ作家並の読みやすさである。



書名・黄金の服
作者・佐藤泰志
出版社・小学館文庫
評価・6点

本書は短編集だが、収録されている「黄金の服」だけを読んだ。最近の佐藤泰志の読み方はそんな感じだ。長編がほとんどない作家なので本はたいてい短編集。その本1冊をまるまる読むのではなく、その中の短編1つだけを読む。黄金の服は大学のある町を舞台に、大学で働く僕(といっても物販のアルバイト)と数人の男女の一夏の物語で、プールで泳ぎ、酒を飲み、セックスをし、喧嘩をするだけなのだが何とも味わい深いのだ。マイナー作家だったが死後になってからブレイクし、その後も細々と読み続けられるだけの理由がある。