ホーム>でぶぶの考察シリーズ|阪神タイガース2023年ドラフト雑感(2023年10月31日更新)


でぶぶ的テキトー考察|阪神タイガース2022年ドラフト雑感


以前は毎年「ドラフト前予想」的な文章も書いていたのですが、色々と忙しくて4年連続でパスしてしまいました。今年のドラフト1位指名は、事前にあった岡田監督の右投手発言から常廣投手(青大)か西舘勇投手(中大)のどちらかかなと思っておりました。また、岡田発言がブラフであった場合には近年の傾向から前田投手(大阪桐蔭高)か細野投手(東洋大)もありうるのではと思っていました。個人的な趣味では社会人の度会外野手を指名、レフトで起用して近本、森下とドラフト1位外野陣を形成するのも面白いのではと考えていましたが「度会外野手の指名はなさそうだ」というのは理解していました。


とりあえずは今年のタイガースの指名選手を復習しましょう。


     
順位 名前 ポジション 出身
1位 下村海翔 投手 青山学院大学
2位 椎葉剛 投手 徳島インディゴソックス
3位 山田脩也 内野手 仙台育英高校
4位 百崎蒼生 内野手 東海大熊本星翔高校
5位 石黒佑弥 投手 JR西日本
6位 津田淳哉 投手 大阪経済大学
育成1 松原快 投手 富山GRNサンダーバーズ
育成2 福島圭音 外野手 白?大学

今年は大学生投手の当たり年で特に東都大学リーグに逸材が集結、東都7人衆なんて言われていましたね。しかも、7人衆全員がドラフト1位を勝ち取りました。まさに東都ドラフト(笑)。


阪神の1位指名の下村投手は全く想定外でした。近年の阪神は「1位は競合覚悟でスケールの大きな選手」という雰囲気だったので、東都7人衆の中でも上背がなく玄人好みの下村投手にいきなり突っ込むとは読めませんでしたね(外れ1位で下村投手はあり得るかとは思っていましたが・・・・)。個人的にはスケール型の常廣投手や細野投手に入札しても良かったのではないかと思いますが「来年いきなり戦力になる選手」という意味では下村投手が彼らより上かと思います。似たタイプの村上投手のような活躍を期待したいですね。


右投手と右の内野手を指名しまくった、なかなかに偏った独自ドラフトで「マジかっ!」と思いながら中継を見ていましたが、近年の阪神ドラフトの当たり率は異常に高いですから、数年後に「23年ドラフトは見事やったなぁ」となると信じています。他球団の1位指名では度会外野手が3球団競合したのは驚きでした、即戦力投手の当たり年に3球団も入札するとは余程評価が高かったのですね・・・引き当てたのは横浜でしたが度会外野手にとっては一番合いそうな球団に引き当ててもらった、という感じがします(ただでさえ強烈な横浜打線が更に強化されそうですね)。また、オリックスの横山内野手の1位指名も驚きでした、即戦力投手を外しまくった球団が最後に1位指名するか2位指名の前半で消えると思っていたのですが1回目入札とは・・・。細野投手が1位指名とはいえ最後の最後まで残ったのもビックリでした。前評判からいけば最初の入札で2球団競合くらいはあるかと思っていました。


個人的に阪神が獲得してほしかった選手・注目していた選手ですが、
・細野投手(日本ハム1位)・・・「左の158キロ」「ややコントロール悪し」というスーパー博打物件。左投手の戦力化に定評がある阪神だけに突っ込んでほしかったのですが・・・。
・度会外野手(横浜1位)・・・ノイジーに代わる正左翼手候補として獲得できれば面白いと思っていましたが、3球団競合とは・・・阪神が参戦していれば4球団競合・・・クジ運のない岡田監督では獲得不可能だったと思われます・・・。
・明瀬内野手(日本ハム4位)・・・高校生の右のスラッガーでは恐らく一番の知名度。「阪神の4位まで残っていれば」と思いましたが・・・。
・堀捕手(オリックス4位)・・・阪神が狙っているという噂も流れた高校屈指の好捕手です。「4位のところで指名するかな」と思っていましたが百崎内野手を指名、その直後にオリックスが指名しました。今年は「捕手は補強ポイントではなかった」ということなんですかね。
・津田内野手(中日2位)・・・新聞で阪神指名の噂があった社会人遊撃手(高卒3年目)。「若い・右打ち・身体能力高そう」ということで「4位くらいで指名できたらおいしいな」と思っていましたが、まさかの2位指名(しかも13番目!)。そこまで評価が高かったとは・・・来年中日の遊撃として阪神の前に立ちはだかりそうで怖いです。
・田中外野手(指名漏れ)・・・大阪の太成学院大学の荒々しい二刀流選手。育成枠で指名したら面白いのではと思っていましたが(リーグレベルが低いようなので元々支配下指名はないかと思っていました)、どの球団も指名しませんでした。社会人か独立リーグでプレイを続けるのでしょうか?
・真鍋内野手(指名漏れ)・・・高校屈指のスラッガー。将来の1軍の大砲候補として2軍で主軸を打てる選手が欲しかったので獲得してほしかったのですが、順位縛りもあったのか獲得できませんでした。3位で指名できるのなら悪くなかったのでは?といまだに思いますが、12球団どこも指名しなかったというのは何か理由があったのでしょうか・・・。佐倉内野手もまさかの育成指名ですし、数年前の慶応大の谷田外野手といい左のスラッガーには厳しい時代となっています。





以下各指名選手に対するでぶぶのテキトーな感想


1位 下村投手

ドラフト中継を見ていて「マジかっ!そこにきたかっ!」という感じでしたね。もちろん良い投手なのは分かっており「恐らく外れ1位、もしかするとどこか1球団くらい1回目で入札するかも」と思っていましたが、その入札球団が阪神だとは思いませんでした。近年の阪神はスケールの大きい選手が好みでしたから、174センチと上背がなく完成度の高いタイプの下村投手は対象外だと見てました(もしあるとしても外れ1位くらいかと)。阪神の投手で似たタイプで言えば村上投手でしょうか(村上投手がさらに球速を増したイメージです)。制球力も高く、決め球カットボールもあり、リリーフであればすぐに1軍枠に入れると思います。ただし、せっかく1位で獲得した投手ですから先発投手として育ててほしいですね。



2位 椎葉投手

1位の下村投手もビックリでしたが、2位の椎葉投手はそれ以上にビックリでしたね。ただ、椎葉投手の支配下での指名自体はあると思っていましたので(4位くらいでどこかが指名するのでは、と思っていました)「阪神が2位という順位で指名した」という点にビックリしました。阪神が今まで独立リーグの選手を指名するときは育成か支配下の一番ケツの方で指名していましたので、2位で独立リーガーを指名するとは夢にも思っていませんでした。しかも、椎葉投手はオーソドックスな感じの投げ方の右投手ですから、余程評価が高かったんでしょう。映像を見る限りは完全にリリーフタイプですから育成・起用方針は明確で「目指せ将来のストッパー・セットアッパー」ですね。ストレートはうなりをあげているように見えるので、後は変化球と制球がどれほどなのか・・・。なお、阪神が近年支配下で指名した独立リーグ投手(湯浅投手・石井投手)はいずれも中継ぎ勝ちパターンに食い込んでいますので、椎葉投手までこれに続くようであれば「阪神スカウト陣の目利き能力はかなりヤバイ」と言えるでしょう。



3位 山田内野手

甲子園で活躍した有名な守備型内野手です。北條、山本、板山と阪神2軍で二遊間を守っていた中堅選手が一斉に自由契約となりましたので「将来のレギュラー候補として2軍で常時出場する内野手(できれば高卒が望ましい)」、2軍で高い守備力で遊撃を守れる内野手がいないので「守れる遊撃手」、二遊間の若手が左打ちだらけなので「右打ち」が補強ポイントでした。山田内野手は全てにピッタリと当てはまる選手ですので3位という高い順位での指名にも納得です。個人的にはここで広陵高校の左打ちスラッガー真鍋内野手にいっても良かったのではという思いが今でもちょっとだけありますが、チーム構成上山田内野手の方が必要だったというのは間違いないでしょう。山田内野手には2年ほど2軍で試合に出まくった後に1軍レギュラー争いに参戦してほしいですね。なお、今回のドラフトで一番ビックリしなかった指名でした(笑)



4位 百崎内野手

またまたビックリ指名でした。高校生の右の遊撃手では山田内野手か百崎内野手のいずれかが指名できればよいなと思っていたのですが、まさか両方指名するとは・・・。3位で山田内野手が指名されたので同じ属性(高校生・右打ち・遊撃手)の百崎内野手の指名はもうないものと思っていました。4位は報道で噂されていた堀捕手(オリックス4位)にいくのかなくらいに思っていたため驚きましたね。山田内野手が守備寄りの遊撃手とすれば百崎内野手は打撃寄りの遊撃手と言えるかもしれません。それにしても来季の2軍ではどのように起用するのでしょうかね。今季2軍の遊撃で一番起用された高寺内野手は遊撃守備に多少難がありますから二塁か外野にコンバートして「山田・百崎・戸井(22年5位)」の3人で遊撃をまわす感じでしょうか・・・。来季の2軍の起用法に注目したいですね。



5位 石黒投手

「右かっ!」と思いました(笑)社会人の右投手です。全然知らない投手ですが、映像や情報を見るにスケール型ではなく「まとまりタイプ・総合力型」とうい感じでしょうか。1年目から1軍中継ぎ陣枠に食い込んでもらいたいですね。



6位 津田投手

「また右かよっ!」とちょっと思いました(笑)大学右腕です。また、はじめて知りましたが大阪経済大学は高代監督だったんですね(津田投手は高代枠でしょうか (笑))。150キロオーバーらしいですけど球速帯はどんなものなのでしょうかね?右で大阪の大学の下位指名ということで何となく金田投手(大阪学院大 12年ドラフト5位)を思い出しました。金田投手(←微妙な高さの壁)を超えるような活躍を期待したいです。



育成 松原投手

右のサイド気味の変則投手。とても球速が速いようです。そこそこの年齢なので1年目から1軍枠争いに食い込まないとヤバいです。



育成 福島外野手

左の俊足アベレージタイプの外野手。プロ野球全体では飽和気味ですが、阪神では意外にいないタイプです。阪神の外野陣は近本を除き意外と守備力が低いので福島選手にとってはチャンス大ありです。直接的なライバルは島田あたりでしょうが、彼もイメージより守備力が低いので追い越すのは不可能ではありません。代走要員は植田、熊谷など充実しているので、とりあえずは守備固め要員を目指してとにかく守備力でアピールしてほしいです。






全体

独自路線というか補強ポイントを執拗にねちっこく攻めたドラフトだったかと思いますね。即戦力の右投手4人はやりすぎ感も多少ありますが・・・、来季は今季よりさらに余裕ありの中継ぎ運用が可能になりそうですね(今季もまあまあ余裕はありましたが)。


個人的には2軍で主軸を打てる選手が欲しかったので真鍋内野手、明瀬内野手あたりの高校生スラッガーか素材型の大学生スラッガーを指名してほしかったのですが、もともと指名予定がなかったのですかね・・・。まあ、僕ら素人には理解しにくいドラフト巧者っぽい(現段階ではあくまで”ぽい”です)今年の指名もよいと思いますけど。