ホーム>でぶぶの読んだ本考察>2017年12月に読んだ本(2018年1月1日更新)

でぶぶの読んだ本考察|2017年12月に!読破!した本


「でぶぶの読んだ本考察」は本サイト管理人でぶぶの小学生の読書感想文以下のテキトーな考察です!独断と偏見で読んだ本を評価(10点満点)までしちゃうよ!ちょっと辛口かもしれません・・・

※「ネタバレ」があるかもです!「ネタバレ」が絶対に嫌な方はこれ以上読み進めないように!



書名・ロンメル戦記
作者・山崎雅弘
出版社・学研M文庫
評価・6点

第二次世界大戦でドイツアフリカ軍団を率いて砂漠のキツネと称されたロンメル将軍の評伝的本(小説ではない)。ロンメルと言えば名将として名高く、第二次大戦時のドイツの将帥では一番人気のある人物ではないだろうか。ただ、この本はロンメルの栄光の部分だけでなく欠点も隠さず客観的な内容となっている。思ったのは、完璧な用兵など存在せず、戦場においては敵味方双方が間違いを犯している、より大きな間違いを犯した側が敗者となるということだ。はじめロンメルと対面した敵はロンメルの奔放な用兵に翻弄され、ロンメルより大きな間違いを犯し敗退していく。ただ、堅実な用兵家モントゴメリー将軍が着任し、腰を据えた迎撃態勢をとると、ロンメルの奇策は通用しなくなる。奇策が通用しない戦いでは物量・補給が物を言い、それらに劣るロンメルとドイツアフリカ軍団はエルアラメインで決定的な敗北を喫した。



書名・魂の流れゆく果て
作者・ヤンソンギル
出版社・光文社文庫
評価・4点

写真とエッセイで追うヤンソンギルの人生、ってな感じの本。「血と骨」や「夜を賭けて」などの大作はヤンさんの苛烈な人生があってこそひねり出された作品なのだと思った。



書名・悪の指導者論
作者・佐藤優 山内昌之
出版社・小学館新書
評価・5点

佐藤さん単独の著作は難しいので対談本あたりが私にはちょうどよいレベルである。トランプ、エルドアン、隣のキムさん、プーチンなど旬の独裁者チックな人を分析する本でやっかいな時代に生きているもんだなと思わせる(日本は平和だけど)。



書名・アルスラーン戦記16巻
作者・田中芳樹
出版社・光文社
評価・3点

竜頭蛇尾、猿も木から落ちる、少年老いやすく功成りがたし、大変遺憾、越来越不好。そんな感じ。



書名・未必のマクベス
作者・早瀬耕
出版社・ハヤカワ文庫
評価・7点

全く知らない作家だがジュンク堂で平積みされ推されていたので購入してみる。IT企業に勤める主人公が東京、マカオ、香港、バンコク、ホーチミンなどを舞台に陰謀に巻き込まれていくようなストーリーだが、恋愛小説っぽくもあり、ハードボイルドっぽくもあり、ミステリーっぽくもあり、主人公の語り口が村上春樹っぽくもあり、深夜特急っぽくもあり、金正男っぽくもあり、ジャンルはよく分からん。かなり荒唐無稽なストーリーではあるし、色々と突っ込みどころ満載な気もするが読後に満足感を感じる不思議な小説。まぁ何と言うかよい本だと思う。



書名・高校生からわかる原子力
作者・池上彰
出版社・集英社文庫
評価・5点

原爆や原発など現在世界における原子力と日本と原子力の付き合いをわかりやすく説明した本。人類は自ら生み出した悪魔の力によって、人類全てがダモクレスの剣の下で生きるような世界を創出してしまったということがよくわかる。



書名・「たられば」の日本戦争史
作者・黒野耐
出版社・講談社文庫
評価・5点

「第一次大戦で軍隊主力を欧州に派遣していたら」「日中戦争に深入りしていなかったら」「日米交渉で妥協していたら」「真珠湾を攻撃していなかったら」など日清戦争以降の大日本帝国の局面局面の舵取りについて考察する本である。文庫で200ページとそれほどの分量でないのでややこしい内容が気軽に読める。



書名・大日本史
作者・佐藤優・山内昌之
出版社・文春新書
評価・5点

上記「悪の指導者論」に続いてこのコンビの対談本。大日本史というタイトルだが取り扱うのは幕末から第二次大戦に至る近代史で、日本史を軸に世界史的な視点も入る。近代史の一つの視点としては興味深い。



書名・独裁の宴〜世界の歪みを読み解く〜
作者・佐藤優・手嶋龍一
出版社・中公新書ラクレ
評価・6点

佐藤さん最近対談本本出しすぎやで・・・。でもこの佐藤・手嶋コンビは結構好きかな。内容は北朝鮮の驚異の実態、北朝鮮とアメリカ、日本とトランプ、中国とトランプ、独裁下の進む世界、日本の政治など現在の世界・日本の情勢の分析でタイトルのような独裁者の特集ではない。特に北朝鮮問題に関する日本国内の認識と世界の認識の違いに関しての記述などは興味深い。



書名・電通と博報堂は何をしているのか
作者・中川淳一郎
出版社・星海社新書
評価・4点

電通と博報堂(てゆーか広告代理店)の実態が中川さんの歯に衣着せぬ(はちゃめちゃな)説明でよく分かった。



書名・永田町アホばか列伝
作者・足立康史
出版社・悟空出版
評価・7点

アホ発言、ばか発言などで懲罰を食らった維新の会の衆議院議員・足立さんが書いた政界人物批評といった内容。現役の国会議員が(ほぼ)全て実名でぶった切りまくるなかなか痛快な本である。まぁ、かなり一方的な内容な気もするが、政治家の書く本はきれい事的な内容のものが多いのでこの遠慮のない本は価値がある気がしないこともない。あと悟空出版の本をはじめて買った・・・。



書名・風水師が食い尽くす中国共産党
作者・富坂聰
出版社・角川新書
評価・5点

ブックオフで100円だから買ったという感じで、タイトルからしてキワモノっぽかったので期待していなかったが、意外や興味深い内容であった。周知のように中国大陸を支配しているのは毛沢東が打ち立てた中国共産党である。共産党と宗教、相容れそうもない2つが共存するのは中国社会における伝統的な宗教(風水師・気功・仏教など)の根深さを感じさせる(中国四千年の歴史に比べれば、中国共産党は70年程度・・・当たり前か・・・)。また、興味深かったのが共産党のお偉いさん、最上位で言えばチャイナナイン(政治局常務委員)の中にまで宗教が蔓延している点だ。出世競争は上に行けば行くほど実力以外の運の要素が必要になってくる、よって宗教に頼る人間が出てくるし、それで上手く行ければ(宗教のおかげではなくその人の実力だと思うが・・・)さらに宗教に傾倒するということらしい。なるほど。