「行政書士」超独断評価(5段階評価です)
◆難易度 ★★★★
◆収入力 ★〜★★★★
◆就職力 ★
◆資格価値 ★★★★
行政書士資格と難易度 (難易度4)
■行政書士は決して簡単な資格ではありません。いわゆる「受験者を受からせるための試験」ではなく「受験者を落とすための試験」です。ネット上などでは「簡単」「数か月の勉強で取得可能」などと言われておりますが、簡単なのは弁護士、司法書士、会計士などの試験に比べて簡単なだけで、短期間で合格が可能なのは「司法試験受験組」「司法書士試験受験組」などだと考えられます。
■「行政書士以外の法律系資格を持っている」、「大学の法学部を出た」などでない限り、1年間程度の勉強期間は必要と考えたほうがよいでしょう。また、初めて法律を学習する人は資格予備校などを利用するのがよいと思います。
※参考資料 行政書士試験の受験者数・合格率年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2003年 | 81,234人 | 2,345人 | 2.89% |
2004年 | 78,683人 | 4,196人 | 5.33% |
2005年 | 74,762人 | 1,961人 | 2.62% |
2006年 | 70,713人 | 3,385人 | 4.79% |
2007年 | 65,157人 | 5,631人 | 8.64% |
2008年 | 63,907人 | 4,133人 | 6.47% |
2009年 | 67,348人 | 6,095人 | 9.05% |
2010年 | 70,576人 | 4,662人 | 6.60% |
2011年 | 66,297人 | 5,337人 | 8.05% |
2012年 | 59,948人 | 5,508人 | 9.19% |
2013年 | 55,436人 | 5,597人 | 10・10% |
当サイト管理人の行政書士資格勉強法
■管理人は法学部どころか大学も出ておらず、法律に関しては全くの素人でした(ナニワ金融道を読んだことがあるくらいでした・・・)。ですから、独学などという手段ははじめから考えず予備校(LEC)に通いました。
■1月から予備校に通いはじめ、その年の11月の試験を受けて合格しました(ギリギリの合格でした)。当時はフリーターだったためバイト以外は勉強中心の生活でした。管理人は人より馬鹿でしたので、人よりたくさん勉強しました。授業で使ったテキストを何度も繰り返し、繰り返し勉強しました。
■法律初学者の管理人でも一度の試験で合格しましたので、しっかりと勉強すれば1年で合格ラインまでは到達できる試験だと思います(一般常識の問題などは多少運の要素も強いですが・・・)。
行政書士の収入 (収入力1〜4)
■収入力の評価を1〜4としましたが、独立して行政書士事務所を経営する場合は1〜4、行政書士事務所に就職する場合は1〜2という評価です。
■「行政書士は食えない」という情報をよく目にします。確かにそれは一面の事実ではあります。例えば、弁護士、司法書士、税理士、公認会計士、弁理士などに比べるとはるかに平均収入は少ないです。原因として考えられるのは以下のような事情です。
@有資格者、開業者が多い
他の士業系資格に比べれば、試験が簡単ですから資格を取得している人も多いです。また、一部の公務員は資格試験なしで行政書士資格を取得することができます。すなわち(他の士業に比べて)資格自体の希少価値が低いということです。
A顧問契約が困難
士業の収入の柱に顧問契約があります。顧問をしている会社から毎月顧問料が振り込まれてくるというアレです。しかし行政書士の場合はこの顧問契約を得るのが非常に難しい。これは行政書士の業務内容は単発的なものが多いためです。
B某有名漫画の影響
某有名漫画に影響を受けて行政書士になったという方がかなりおられます。某漫画自体は管理人もコミックを購入しておりますし、大変面白いと感じております。ただひとつ問題が・・・あの漫画で取り扱われている内容の8〜9割は行政書士が本来取り扱うことができない業務だということです(理屈の上では、書面作成料しかもらわなかったり、無報酬で行えばOKなのでしょうが・・・)。ですから、あの漫画のような業務を主要業務に据えてしまうとどこかで行き詰まる可能性が高いと思います。
C業務の単価が安い
@と関連しますが、有資格者、開業者が多いため、価格競争が激しいです。よって主要業務の単価がかなり下落しております。
他にもいろいろとあるでしょうがとりあえずこのくらいにしておきます。
■ポジティブな面を挙げますと、有資格者が多いと言っても、資格制度によって保護された業界には違いありませんから、世間の荒波に比べれば競争もましです。弁護士や司法書士や税理士などと比べてしまうからダメなだけで、世間一般に比べると恵まれて(保護されて)いる業界だと思います。
■「初期投資がそれほど必要ない」というのもプラスの要素でしょう。資格さえとってしまえば、自宅での開業も可能です。自宅での開業の場合は初期投資が最低50万円程度で可能かもしれません。借金なしで開業している方が多いと思います。ちなみに管理人は行政書士を開業しておりしたが、初期投資は40万円ほどでした(そのうち行政書士登録費用30万円前後)。これは、知人の行政書士の事務所を間借りさせていただいたからです。極論すれば机、電話、FAXなどがあればはじめられる仕事ですから、それほどスペースも必要としません。他の商売に比べれば、ローリスクでの開業が可能かと思います。
当サイト管理人が見た行政書士の年収
■当サイト管理人の行政書士時代の年収は・・・内緒です(笑)。すごく稼いでいたわけではありませんが、一応専業で食えておりました。
■管理人の周囲では「稼げる人」「稼げない人」は極端に分かれていました。管理人の同期の行政書士さんはほとんどが廃業してしまいました。恐らく売上が思うように上がらなかったのだと思います。ですが、管理人が親しくしていた行政書士さんたちは軽々と1000万円を売り上げたり、ターミナル駅近くのタワーマンションに事務所を構えたり、夕方4時ころに出勤しているのに月売上が100万円あったりとなかなか稼いでおりした(管理人は彼らには遠く及びませんでしたが・・・)。稼げる人はかなり稼ぐ、しかし稼げない人はとことん稼げず1年〜2年で廃業していくというのが管理人のイメージです。新規開業者が5人いるとすると、かなり稼ぐ人が1人、なんとかやっていける人が1人、稼げない人が3人というあたりでしょうか。
行政書士有資格者の就職 (就職力1)
■就職力は1とさせていただきました。これは正直あまり期待できません。特に企業への就職目当てで行政書士を取得されようとしている方はおやめになったほうがよいと思います(簡単に取得できるだけの能力があるなら別ですが・・・)。
■有資格者が優遇される可能性があるとすれば、行政書士事務所への就職です。しかし、募集が少ない上、給料も安いです。独立前の修行期間と考えるならよいですが、そうでないのであれば普通の企業に就職するほうがよいと思います。
■結論としましては、行政書士は「独立開業のための資格」です。独立するつもりがないのであれば、かなりの時間や費用を費やしてまで取得する必要性は低いと考えます。
当サイト管理人が見た行政書士の就職
■管理人は行政書士事務所でアルバイトをしたことがありますが、これはネット上で見つけました。個人の事務所は自社ホームページでアルバイトの募集をしていたりしますので、行政書士事務所で働きたい場合いろいろと検索して探してみるのをおすすめします(ただし、アルバイトでもけっこう倍率は高いです)。
行政書士資格の価値 (資格価値4)
■多少ネガティブな情報も書きましたが、行政書士は魅力の多い資格でもあります。自分で取扱い業務も選べますし、時間の自由度も高いです。人と会い、仕事をこなし、本を読むなどして自分を高めていける仕事です。高い目的意識を持って行政書士になれば、売上などの結果もついてきますし、お客さんからの感謝もいただける仕事です。
■「行政書士になりたい方へ」簡単に稼げる資格ではないですが、様々な業務があり本人の能力、工夫次第では楽しく仕事ができます。頑張って資格を取得して、よい仕事をしてください。
本サイトは行政書士の評価、難易度、勉強法、就職活動における価値などについて考察したサイトです。