阪神タイガースドラフト考察2002年ドラフト>江草仁貴

2002年ドラフト自由枠 江草仁貴 超てきとう阪神タイガースドラフト考察

江草仁貴選手 年度別成績
年度 球団 試合 先発 勝ち 負け セーブ 投球回 奪三振 与四球 防御率
03 阪神 3.0 6.00
04 阪神 16.1 13 2.76
05 阪神 51 70.2 74 28 2.67
06 阪神 36 12 96.2 85 46 3.54
07 阪神 50 60.0 82 33 1.95
08 阪神 55 58.1 54 29 2.78
09 阪神 62 63.0 65 40 2.71
10 阪神 21 19.1 15 13 5.12
11 西武 12 8.0 5.63
12 広島 26 20.1 15 4.43
13 広島 3.0 9.00
通算 326 13 22 17 418.2 415 215 3.12


ドラフト的選手評価・・・B

評価の難しい投手だ。単年で見たり、1試合だけ見たりするとそこまで大した投手と思わないのだが、2005年から2009年の5年間に継続して残した数字は見事だ。


超てきとう考察

主力と言えば主力なのだが・・江草が完全燃焼する場は先発だったのではないだろうか

自由獲得枠の選手なのだが、正直阪神ファンの評価はすごく低かったと思うし、管理人自身もそこまで評価していなかった。入団1年目と2年目の投球を見てもまさか1軍で5年間にわたって、しかも中継ぎで活躍するなど思いもよらなかった。

2005年から2009年に江草が残した数字は見事だ。残した数字だけ見れば主力中継ぎ投手だろう(一時期は先発もあったが・・)。毎年のように50試合を超える登板数、高い奪三振率、大抵は2点台におさめる防御率。だが、正直なところ数字ほどの印象はなかった。管理人の感覚では、同時期の後ろの投手でいえば一番信頼感があったのが藤川、その後は順番にウィリアムス、一応アッチソン、久保田、渡辺、そして次に江草、橋本、桟原あたりがくる。勝ちパターンの投手と言うより大量点差で勝っている場合、僅差の負け試合で試合を作る投手というイメージだ、僅差の勝ち試合で投げている時もあったが、どうも見ていて数字ほどの安心感はなく不安感のほうが強かった。

江草の投球は140キロ前後のストレート、スライダー、フォークみたいな落ちる球を非常にテンポよく投げ込むスタイルだ。そこまで凄い球があるわけでもないし、制球は悪い、でも三振奪取率が非常に高いのが特徴で何とも説明しにくい投手だった。安定感はないし、投げている球はそこまで大したことがないのに残している数字だけ見るとセットアッパー並。それが1年だけならともかく複数年にわたって続いていた。管理人の家では「防御率詐欺師」と呼ばれたり、「今江草をトレードに出したらパリーグからけっこういい選手とれるんちゃうか」などの不穏な会話がかわされていた。

江草の年棒は成績の割にはあまり上がらなかった(あくまで推定年棒だが)。数字だけを見ればもっともらっても良い選手だったと思うが、試合での印象やチームでの立ち位置からすれば妥当とも思えた。江草は中継ぎで1億円プレイヤーになれる実力はなかったと思う。

江草はプロで十分な成功をおさめたとは思う(まだ現役だがこれ以上実績を積み重ねる可能性は低いとみる)。でも江草は完全に燃焼したのだろうか?中継ぎとしては本来の実力以上の力を出し、素晴らしい数字を並べた。だがチームの主力選手、替えのきかない選手とまでは言えなかっただろう。ではどうすればそのような選手になれたのだろうか?管理人は江草の適性は本来先発にあるとずっと思っていた。中継ぎである程度の成績を残していたので、中継ぎでずっと起用されていたが、本来は先発ローテを狙う投手ではなかったのか・・。もちろん失敗して中継ぎほどの成功をおさめられなかった可能性も十分ある。しかし江草が「主力選手となる」「1億円プレイヤーになる」といった可能性があるとすればそれは「先発として」だったと思う。あのアバウトな制球、テンポや思い切りの良さは先発でこそ輝くと思ったのだが・・・江草はすでに選手生活の晩年を迎えており検証の機会がなくなってしまったのが残念だ。